初恋の悪魔の犯人(兄の事件)の考察・伏線一覧と名言まとめ

日本テレビ系列土曜夜のお楽しみ、ドラマ『初恋の悪魔』が始まりました。
演技力に定評のあるの若手俳優が織りなす小洒落てこじれたミステリードラマの『初恋の悪魔』は
警察にいながらも捜査権のない4人が推理をし、恋愛感情を持ったりそれぞれの過去に目を向けたりといろんな要素が複雑に絡み合っています。
脚本が坂元裕二さんだけあってクセがあるどこか引っかかる名言にも注目が集まっています。

ここでは
初恋の悪魔の犯人(兄の事件)の考察・伏線一覧と名言まとめ
として
調べたことをシェアしていきます。

主人公だけでなくクセの強い登場人物にはそれぞれの思惑やバックボーンもありそうです。
放送を重ねていくうちに明らかになったことや謎が深まったことなどをまとめつつ
ドラマのストーリーとともに気になった事柄や名言について考察していきますね。
これを読んだら『初恋の悪魔』がわかる、考察とや伏線、名言をまとめてみました。

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初恋の悪魔の犯人は誰?

総務課職員の馬淵悠日は警察行政職員。
いわば警察の中の事務員のような存在で事件現場に出向いても物品を届けるなど雑務をこなす。
悠日には兄がいて優秀な刑事であったが3年前に捜査中の事故で殉職したとされているが
その死に疑問を持つ者がいた。
いったい何が真実で何が嘘なのか。馬淵悠日の兄を殺害した真犯人は誰なのか。

兄の事件とは?

境川警察署の署長:雪松鳴人は捜査中の事故で殉職したとされている馬淵朝陽の死に疑問を抱いていた。
署内の人物が兄の死に関与していると考えた雪松は弟の馬淵悠日に鹿浜鈴之介を監視するように命じる。

1話の考察・伏線

【あらすじ】
病院内で少年の遺体が発見された。
飛び降り自殺かと思われたが同室の少年は担当医師に殺されたと証言したがその後病状が悪化し急遽ICUに入ってしまう。
ひょんなことから事件を知ってしまった会計課の小鳥琉夏は
総務部の馬淵悠日に事件の真相を突き止めてほしいと頼みこむ。
そこで悠日は停職中の鹿浜鈴之介に推理を依頼するが…

第1話のダイジェストはこちら
https://youtu.be/VRo_iY7SKQs

馬淵悠日が署長に呼び出される

境川警察署長の雪松は悠日を呼び出し倉庫の中で「ボーリングはたしなむか?」と言い砲丸投げのように投げる動作をします。
「署長は上から投げるタイプですか?」と話すと「お前の兄貴も上から投げてたぞ」と言い
「俺たちはいつも上からボーリングだった。あいつは俺の大事な友達だった」
「お前の兄貴を殺した真犯人がうちの署にいる。俺は鹿浜と言う男が怪しいと思っている」と話します。

そして署長は悠日にむかって「お前も上から投げて見ろ」と言います。
署長の目的は一体何なんでしょうか。
署長は悠日に何をさせてどうなってほしいのでしょうか。

鹿浜鈴之介という男

署長の指示を受け馬淵悠日は停職中の鹿浜鈴之介の自宅へ赴きます。
アンケートで仕事について聞こうとすると鈴之介は「僕は僕の仕事が嫌いです」といいます。

身も凍るような凶悪な犯罪に立ち向かうために刑事になったのに
仕事と言えばNシステムや監視カメラを確認するばかりで凶悪事件が少なすぎるという。
過去に起きた世界の猟奇的な殺人事件について熱く語る鈴之介は悠日を自宅の2階に連れていき
「今にも人を殺めそうな顔をしているだろ」と監視している隣人を紹介します。
「この人何かしたんですか?」と怯える悠日に「こんな時間に家にいる」と真顔で言う鈴之介。

本当に署長は鹿浜鈴之介が悠日の兄:朝陽を殺した真犯人だと思っているのでしょうか。

鹿浜じゃなかったら誰なんだろうな

署長の質問に「怪しいところしかありません、でも悪い人とも思えません」と鈴之介のことを話す悠日。
しかし署長が話す言葉は意外なものでした。

「俺が疑ってるのはお前だよ。お前には兄貴を殺す動機がある」
「だったらお前が真犯人を探して無実を証明しろ」

署長の友人であった兄・馬淵朝陽の死の真相は知らない方が幸せなのか。
馬淵悠日は突然自分に降りかかってきた火の粉を払いのけることはできるのでしょうか。

 

2話の考察・伏線

【あらすじ】
ある団地で刺殺事件が起きた。
被害者は兄弟芸人”ゆきおひでお”の兄・夕紀夫。
夕紀夫が団地の自宅玄関外で胸にハサミを突き立てられて死亡していたのを発見したのは弟の日出夫。
助けを求める夕紀夫の叫び声を多くの団地の住人が聞いていたが誰も犯人を目撃した人がいないこの事件。
捜査権のない4人が再び鈴之介の家で自宅捜査会議を行う。
果たして兄を殺したのは誰なのか
弟は兄を憎んでいたのだろうか…

第2話のダイジェストはこちら
https://youtu.be/LPlxMN8MBRk

馬淵朝陽の死は事故死ではなく誰かにはめられた?

署長の幸松は悠日に「目をそらすな」と言って朝陽と2人で大盛りのラーメンを持った写真を見せて話します。
「みんな言ってた。朝陽ほどの優秀な刑事が容易く事故死などするはずがない。誰かにはめられたんだ」
「朝陽から何か聞いてないのか?
何かに狙われているとか何か相談されなかったのか?」と。

朝陽の友人であった幸松署長は本当は何か知っているのでしょうか。
友人の死に疑問を持つのであれば自分調べればいいのに
なぜ悠日に真犯人を探させているのか。
そして鹿浜鈴之介と悠日の兄・朝陽に接点はあるのでしょうか?

人を殺すことに理由はいらない

1人目の容疑者として浮かんだ男は、殺された夕紀夫と言い争っているところを目撃されていた。
理由は夕紀夫がお風呂をあふれさせて水漏れしてしまったため。
それを聞いて琉夏が「そんなことで人を殺すかな」と言うと
鈴之介は「人を殺すことに理由はいらない」と言います。

琉夏は弟が真犯人だと言い、動機として「このコンビは兄だけが活躍し弟は馬鹿にされっぱなしだった」からで
「仲が良かった2人ほど悪くなった時にひどくなる」と断言します。
悠日は今回の事件をどう受け止めたのでしょうか。
やはり弟が感じる兄への気持ちは自分と同じだと思ったのでしょうか。

朝陽からのメッセージ

悠日は捜査資料室でスマホに残された兄:朝陽からの留守電を聞きます。
「あ、もしもし悠日?俺。いやぁ近くまで来たから飯食わないかと思って。もう1回かけてみるわ」
「あー、たびたび悪い。俺。別に用事があるとかじゃないんだ。最近会ってなかったけどさ、元気にしてるか?
あーあれだよ、親父とかおふくろとかいろいろ言うだろうけどさ、あんまり気にするな。うん、じゃぁ」
「あのさぁ・・・これ 聞いてるかな。あんまり俺と話したくないか。ごめんな。
でもちょっとなぁ…誰にも言えないっていうかお前に相談乗ってほしいことがあって頼む、電話出てくれよ」
「余計な事言っちゃった。悪い。留守電あんま気にするな。ありがとな、いろいろ。
覚えてる?昔よく2人でバナナのシール集めたな。
電車乗って家出したろ。楽しかったな。元気でな、じゃ」

このメッセージ聞く限りでは悠日の兄:朝陽は自ら命を絶ったように思えませんか?
この朝陽の声を知っていながら”兄の死は殉職”と聞かされた悠日はそのことを疑問に思わなかったのでしょうか。
また最後のメッセージの中で聞こえてくるパトカーのサイレンの音にはなにか意味があるのでしょうか。
悠日にも誰にも言えない何かがあるようです。

摘木さん、もしかして兄のこと知ってました?

悠日は初めて兄のことを星砂に話しました。
別れ際、悠日は疑問に思っていたことを星砂に尋ねます。
「こないだ資料室で兄が死んだときの捜査資料見てませんでした?」

悠日と琉夏がこっそり捜査資料室に入り病院での転落死事件の証拠を調べようとした夜、捜査資料室には既に星砂がいました。
星砂が触れていた段ボールには『R1.7.20 04419』と書かれていました。
その時悠日に「何してるんですか?」と言われ「お前らと一緒だよ」とごまかした星砂ですが
改めて悠日に聞かれても「わかんね」とだけ答えました。

兄:朝陽の捜査資料からは携帯もスマホも発見されていないと記されていました。
星砂の部屋の床にころがったバナナのシールが貼られた携帯電話、それは朝陽のスマホなのでしょうか?
星砂は悠日に嘘をついて「わかんねぇ」とごまかしているのではなく、星砂は星砂ですらわからない何かがあるようです。

3話の考察・伏線

【あらすじ】
摘木星砂はスーパーで万引きの監視をしていると一人の男が自分のバッグにワインボトルを入れるところを発見した。
事務所に連れていきバッグを確認すると盗まれたワインボトルは入っていない。
防犯カメラで確認しようとするもその瞬間は写っていない。
店長からは大事な客を万引き犯扱いしたことに注意を受けるが
パート主任・下田絹子は星砂をかばい「よろしくお願いします」と言う。

しかしその後も星砂が捕まえた万引き犯のカバンの中には
盗んだと思われる商品が入っていないことが続き
とうとうスーパーからクレームが入り落ち込む星砂。

星砂の笑顔を取り戻せるのは誰なのか。

第3話のダイジェストはこちら
https://youtu.be/wKWPWPgaDUE

拳銃の実包を紛失した?

捜査資料室の中で寝ていた署長。
署長は県警から取り寄せた悠日の兄:朝陽が関わっていた事件の資料から
『2019年7月10日午後4時30分拳銃実包1発を紛失した』と書かれた1枚の始末書を見つけた。

「撃ったということですか?」と尋ねる悠日に
「いや、記されていない。ただそのあと朝陽はビルから転落死している。
持っていたスマホも見つかっていない。ただの事故死と言えるか?」と話す署長。
「時々さ、朝陽の番号にかけちゃうんだよ。大切な友達を殺した犯人がもしもしって出るんじゃないかって・・・」

本当は署長は何もかも知っているんじゃないかと思えてきます。

撃たれちゃった、内緒で治してくんない?

星砂は以前こあらい医院でケガの治療をしてもらっていました。
内緒で治療してくれないかと言い星砂がこあらい医院を訪れたのはカレンダーから推測するに2019年7月。
朝陽が拳銃で撃ったのは星砂?
だから星砂の家に朝陽のスマホがあるのか?

小洗先生に「いったい何が起きてんの?」と聞かれても
「わかんね。自分でもわかんねえんだよ。」と言うしかない星砂。
嘘をついていたり誰かをかばっているわけでもなく
強いて言えば「私の中に肉じゃがとコロッケがいる」としか言えない星砂。

”付きまとわれてるんだよ結構前から。
もう居なくなったかなぁと思ったら最近また来るようになって…”と先生に話す星砂。
付きまとっていると言うのはもう一人の自分『蛇女』なのか?
星砂の中のもう一人の自分が起こした事件なのだろうか

私アンタのお兄ちゃんに会ったことがあると思う

お兄ちゃんのスマホがうちにある。
3年前の夏、気が付いたら夜中の公園にいて
気が付いたら私の手の中にスマホがあった。

星砂は断片的な記憶を頼りに悠日に朝陽のことを話すのだが
気が付いたら としか言えない。

星砂は時々見覚えのない買い物をしていることがある
財布無くしたり知らない男から何か言われたり家のカギを無くしたり
自分の部屋に絶対似合わない服や靴やバッグがあると悠日に話しながら嫌いなトマトを口にした星砂は
急に「あなた誰?ここうるさい…すごく嫌だ」と急に何かに怯え店を飛び出します。
その姿はまるで幼い子供のよう、騒がしい夜に恐怖を感じた子どものようでした。

家のカギは紛失したのではなくもしかしたら別人格の星砂が無意識に朝陽に事件を隠そうとしているのかもしれない。
悠日に別人格のことを話させないようにまた別の人格が阻止したのかもしれない。
そしてその現場をスマホで撮る男と何故か歩いている署長の雪松。
署長は星砂も朝陽の事件に絡んでいるとわかっているようです。

4話の考察・伏線

【あらすじ】
傘を横に持って振りながら歩く人、分別しないでゴミを捨てた人、行列に割り込んだ人、自転車2人乗りした人。
社会のマナーやルールを守らない者が矢で射られる事件が次々と発生した。
世界英雄協会を名乗る男から届いた犯行声明。今後の危険性を主張する渚だがいつののように警察署内の関心は薄い。

翌日再び犯行声明が届き、捕まえたければクイズに答えよといわれ騒然となる署内。
会計課小鳥琉夏は好意を寄せている渚から直接「数字得意ですよね」と解答を頼まれる。
渚のために必死にクイズを解く琉夏だが、その現場に行った渚は犯人に狙われてしまい犠牲者になってしまった。

琉夏は鈴之介に捜査の依頼をしに行くが…

第4話のダイジェストはこちら
https://youtu.be/B0PJMS8E-bU

何のことでしょう

突然悠日の部屋を訪ねてきた雪松署長。
持ってきたカップ焼きそばを食べながら悠日に
「1人暮らしは何かと寂しいだろう。彼女はいないのか」
と言います。
「お前は気がねなく幸せになっていいんだよ」
「朝陽もそう望んでいる。あいつはさ、人の幸せを心の底から願える男だったから」

署長は「最近の若いやつは…」と言いながらもその言葉は悠日に対して言っているようにも聞こえます。
「そんなに俺が煙たいかなぁ。なにか俺に隠しているんじゃないかって」
「お前はさ、俺に何でも話してくれていいんだよ。隠すことはない。誰かを庇ったりする必要もない」

笑顔で「何のことでしょう」と雪松に返す悠日に
雪松はまるでクローゼットの中に星砂が隠れていることを知っているかのように悠日に背を向けて言います。
「何のことでしょう…それは犯人が図星だった時に言い返す言葉だ」

一体署長はどこまで知っているのでしょうか。

まず疑うべきだろ?

スマホを悠日に返し部屋を出ようとする星砂。
悠日は「カギを失くしたからじゃない。一緒にいたかったから一緒にいた」と言い
星砂に自分の気持ちを打ち明けようとします。
ですが星砂は悠日の言葉をさえぎります。

「あんたの兄ちゃんが死んだのと同じころ私も銃で撃たれたことがある。気が付いたらケガしてた。何も覚えてない」
という星砂に
「良かったですねぇ 無事で」と言う悠日。

「そっちじゃねえよ、まず疑うべきだろ?
あたしがあんたの兄ちゃんの死に関与…関与どころか殺したのかもしれないんだ。
ヘビ女のしたことが私にはわからないから」

星砂がどういう人であっても事実をどんな形で知ることになってもきっと悠日は受け止めてくれるであろう。
それを星砂もわかっているからこそ小洗先生に「だから困るんだよ」と言っていた。
だから「まず疑うべきだろ?」と悠日にも言ったし
星砂自身が一番自分を疑っているのでしょう。
本当に星砂の中のもう一人の自分は朝陽の死に関与しているのでしょうか。。。

突然現れた署長

星砂が帰ろうと部屋から出た時階段を署長が上ってきました。
「こんばんは、摘木さん。馬淵、お邪魔しちゃったかな?」

これ絶対星砂が悠日の家にいることを知っていて会いに来たんですよね。
帰ろうとする星砂の腕を取り「待て待て…どうした?一緒に飯でも食おう」と言い、強く握って離そうとしません。

悠日も「やめてください」と言い必死に署長の手をふりほどくと
その拍子に署長は螺旋階段を滑り落ちてしまいます。。。

署長は何の目的で悠日の家に来たのか
星砂のことを署長はどこまで知っているのか
今のところ署長が一番怪しいのですが。。。

5話の考察・伏線

【あらすじ】
監視カメラの存在を教えてくれた森園は、ブレーカーを落としても電気のメーターが回っていることに気付く。
鈴之介の自宅のカギがかかったままの扉を壊し中に入ってみるとその先には地下室があった。
足かせが柱に括り付けられているその部屋は地下室と言うより監禁部屋。
すると突然森園は鈴之介を残したまま地下室の扉を閉めてしまう。
森園はなぜ鈴之介を閉じ込めたのか。
森園の正体は何者なのか。
閉じ込められた鈴之介は地下室から出ることはできるのか。

第5話のダイジェストはこちら
https://youtu.be/i3N_B8SSkpU

あなたのことを思って言っている、あなたのことが好きだから言っている、そういって近づいてくる奴が一番危ない

悠日は兄のスマホを持っていることを署長に相談しようと思っていると星砂に話します。
署長に相談すれば警察の力を借りてパスコードを解除できるかもしれない
署長は強引なところもあるけど自分や兄・朝陽のことが好きだから言ってくれている、と。

それを聞いて星砂は
「あなたのことを思って言っている、あなたのことが好きだから言っている そういって近づいてくる奴が一番危ない」と言いますが
最後は「冗談だよ」と言って悠日にビールを渡します。
人を疑わずにまっすぐに安心して生きてきた悠日は署長の思惑にどんどんはめられてしまいそうです。

俺は真相が知りたい。刑事としてじゃなくて友達として

署長に呼び出された悠日と星砂は兄・朝陽の事故現場”BAY PLAZA HOTEL”に連れていかれ
朝陽が亡くなった日に行動を共にしていた県警の上柳刑事から事件当日の話を聞かされます。

都内で起きた強盗事件の応援要請を受けホテルに来たこと
容疑者が潜伏しているとの情報を受けたこと
部屋をノックしたが返事がなかった
非常口の方から扉が閉まる音がした
教えられた部屋は容疑者のいた部屋と違った
朝陽が様子を見に行った1分後に大きな音がした
屋上に犯人の姿はなく争った形跡もない

つまり県警の上柳刑事は”興奮状態にあった馬淵刑事は水漏れで濡れたホテルの屋上から足を滑らせて転落した”事故死だと言うのです。

「お前、今の話信じられるか?彼は嘘はついていないと思う。
しかし朝陽のような刑事が誤って転落するとは思えない」
「俺は真相が知りたい。刑事としてじゃなくて友達として」と署長は怒りをフェンスにぶつけます。

なぜ署長はこの場所に悠日と星砂を連れてきたのでしょう。
署長は星砂をここに連れ出せば何か反応があるのかもと試したのかもしれません。

残されたスカジャン

そんな署長の様子をみて悠日は「署長、申し訳ありません」とスマホを差し出そうとします。
「少し前から持っていました。パスコードがかかっていて開けません。もし警察の力で開くことができれば・・・」という悠日。

本能的に署長に渡ってしまったら危ないと星砂は感じたのでしょう。
署長に渡る寸前に星砂は悠日の手からスマホを取り上げ逃げ出します。

星砂を心配して追いかける悠日ですが見失ってしまいました。
植え込みには星砂のスカジャンが残されています。
星砂のトレードマークのスカジャンは残していったのか捨てていったのかそこにはどんな意味があるのでしょうか。
星砂の安否が気になります。

森園と雪松

買い物帰りの森園は星砂を探し署長の車の中にいた悠日を見つけ話しかけます。
挨拶を交わした後、森園は署長をみて「雪松さん?」と声を掛けます。
訝し気な態度の署長が森園を見て「森園先生」と姿勢を正すと
森園は「ええ、でももう弁護士は辞めました。
5年前お会いしたときは中学生殺しの被告人の弁護をしていました」と言うのです。

森園と雪松と5年前の事件と朝陽の事件
関係はあるのかないのかわかりませんが、がただただ怪しく思います。

6話の考察・伏線

【あらすじ】
停職期間を終え刑事に復職した鈴之介は偶然東京で星砂に出会う。
しかし星砂の様子がいつもとまるで違うことに戸惑う鈴之介は何もできないまま。
あの人は本当に摘木星砂さんなのだろうか。
星砂がいなくなったことを知っても鈴之介は悠日や琉夏には何も言うことができない。
一旦は悠日の家に戻った星砂だが再び悠日の前から消えてしまう。
そして星砂が訪れたのは鈴之介の家だった…。

第6話のダイジェストはこちら
https://youtu.be/7TkLDSWoKe0

忘れるんですよ、そこで生活するために

遺体が発見された川の見つめる森園は近くを歩く雪松に声をかけます。
「散歩にはいい場所です」という雪松に
「もう覚えてらっしゃらないんですね。5年前そこで遺体が発見されたのを」という森園。

「ありましたかね」と言う雪松は
「よそから来た人間は悲劇を風化させるななんて言いますけどね。
住んでるものからしたらね 忘れるんですよ、そこで生活するために」と言います。

雪松の言葉通り、気にしていたら生活はできません。
その場所で生きていくためには忘れようとする術も必要だと思います。
ですが雪松がはぐらかした、もしくは本当に覚えていない言い訳だとしたのなら
雪松が大きな事件に関わっているのかもしれない と思えてきます。

私は用済みですか

雪松は悠日を呼び出しやんわりと転職話を切り出しました。
悠日は星砂と兄:朝陽との関係はないと言いますが雪松は全く聞く耳を持たず、悠日を一般企業へ紹介すると言うのです。
命令には背けず一旦は受け入れるようにみえた悠日ですが
勇気を振り絞り、すいませんと謝りながらも
「署長の目的は兄のスマホだったのではないでしょうか?
兄のスマホが表に出たら何か不都合でもあったのではないでしょうか?」と雪松に迫ります。
すると雪松は「なんでお前が生きちゃったんだろうな」と笑いながら部屋を出ます。

悠日は雪松の後を追いかけ叫びます。
「私は馬淵朝陽の弟ではありません。
総務課総務係の馬淵悠日です!
刑事ではないですけど総務係の一職員として誠心誠意努めてまいりました!私は馬淵悠日です!!」
必死に抗議する悠日をあざ笑うかのようにニヤニヤしている雪松署長。

とうとう悠日はみんなの前で署長を殴ってしまいました。
殴られても笑っている雪松。
いったい何を考えているのでしょう。
これで悠日を警察から追い出すことができると自分の身の安全を考えて喜んでの笑みなのか
それともすべて計算の上で自分が思い描いたとおりに悠日が動いてくれて作戦が成功した喜びなのでしょうか。

7話の考察・伏線

【あらすじ】
突然いなくなった星砂を探す悠日は鈴之介の家にいた星砂を見て喜ぶのだが、
星砂の表情はこわばり警戒し鈴之介の後ろに隠れようとした。
星砂は別人格になっていて星砂を守ろうと盾になる鈴之介の様子に悠日は複雑な気持ちになる。

そんななか第3の殺人事件が起きる。
5年前の森園が担当した事件や3年前にリサが逮捕された事件によく似た殺人の証拠。
そして容疑者とされたのは殺された大学生の元恋人。
3つの事件に関連はあるのだろうか。

第7話のダイジェストはこちら
https://youtu.be/57HSZ1WknFM

兄はそんなことしません

悠日は鈴之介の家にあった兄:朝陽のスマホをみつけ星砂に
「そもそもどうしてあなたがそのスマホを持っているんですか?」と聞きました。
すると星砂は「取ったんです。あなたのお兄さんに逢った時
”この刑事リサのことでなんか隠してる”って思ったから取って逃げたんです」

「あの刑事はリサを銃で撃ちました。リサに罪をかぶせて殺そうとして。。。」と星砂が言うと悠日は静かに
「兄はそんなことしません」と否定します。
星砂は声を荒げて「見てたんです!馬淵朝陽はリサを殺そうとした人なんです。あなたはその弟なんです!」と言います。

兄はそんな人ではないことを悠日はわかっていますが
今の星砂にはすべてが言い訳のように聞こえてしまいます。
そもそも星砂が銃で撃たれたのはリサを狙ったのではなく星砂自身が狙われていたとしたら?
朝陽のスマホには雪松にとって困る何らかの証拠のようなものがあって星砂を撃ってスマホを取り戻そうとしたのなら
朝陽は友達である雪松の頼み(の為?)でリサを追いつつ星砂を狙うように言われていたのでは?

朝陽の拳銃から実包が一発紛失したのは7月10日。
おそらくその日星砂は朝陽の銃弾を受けた。
そしてリサは殺人事件の犯人として逮捕されたのだが
真相を知った(知っていた、あるいは気づいた)朝陽が命を狙われ転落死してしまった。
全てのカギは雪松にあると思うのです。

何のことでしょう

森園は雪松を訪ね警察署へ行きました。
将棋を指しながら森園はどんどん話はじめます。
5年前の事件、3年前の事件、起きたばかりの事件
森園の話はいったいどれをさしているのか意味不明です。
雪松は「何のことでしょう」と森園に言いました。

以前雪松は悠日の部屋で「何のことでしょう…それは犯人が図星だった時に言い返す言葉だ」と言いました。

と言うことは森園が言ったことは図星だったのでしょうか。
雪松は自分が言った言葉の通りに言葉を発したのでしょうか?
単なる偶然ではないように思えるのですが…
朝陽の事件は雪松の関わる事件の一端にしか過ぎないのでしょうか。

8話の考察・伏線

【あらすじ】
恋人殺害の容疑者として桐生菜々美に逮捕状が出るが冤罪の可能性が高いと考えた鈴之介らは
雪松署長が事件に関与しているのではと推測する。
5年前、3年前と今回の事件に関連性があると推測した森園。
再び過去の事件を検証し今回の事件と雪松の動向を探る鈴之介は
どうしたら県警に戻れるかと雪松に問いかける。
警察を辞めた悠日は朝陽の朝陽の思いを辿りながら兄の今まで知らなかった一面を知っていく…

第8話のダイジェストはこちら
https://youtu.be/uJkLhnylzQU

単に間違われたのかそれとも嘘をついたのか

悠日は雪松署長を殴ったことで警察を退職することになった。
家を訪ねてきた両親に詫びる悠日。
「失望なんてするわけないでしょ」と優しく声をかける母。
そして不思議なことを言い始めた。
「朝陽が死ぬ前に何か話をしたか?」
「自分に何か身の危険が迫っているようなこと言ってなかった?」

署長の雪松は悠日の父親に朝陽に会っていなかったというのだが
母親は朝陽から亡くなる前日「さっき雪松さんと会っていた」と聞いていたというのだ。
雪松署長は単に間違われたのかそれとも嘘をついたのか、
悠日が暴力をふるった原因もそこにあるのではないか心配になって聞きに来たのです。
ほころびから少しずつ雪松の素顔が見えてくる気がします。

俺から県警に話しておこう

第3の殺人事件で逮捕された大学生・菜々美に逮捕状が出た。
渚はカラオケ店で桐生菜々美を見ていないと証言した大学生5人は
高校生と一緒に飲酒した罪を隠すために偽証した可能性がある、
もう一度事情聴取させて欲しいと会議で懇願します。
鈴之介も「容疑者のアリバイに関する重要な証言だ」と渚の主張を擁護するのですが一向に進展しません。

そこへ雪松署長が現れ「なるほど、偽証の可能性か」と話します。
「重要なことだよ。洗い直してみる価値はあるかもしれないなぁ。俺から県警に話しとくわ。預かっておく」と渚から資料を受け取ります。

桐生菜々美は犯人に仕立て上げられている
雪松署長の言葉には表と裏を感じます。
言葉を言葉通りに受け取ってはいけないように感じるのです。

県警に口出すの?

桐生菜々美の指紋が付いた凶器が発見され、署内は菜々美が犯人であると決めているような雰囲気です。

事件の会見直前、課長に口木刑事が「現場で発見したネイルについてどうなりましたか」と尋ねます。
課長は「どこにでも売ってるものだから関連性は低いとして証拠に入れなかったでしょ」といいますが
「捜査が桐生菜々美にたどり着くきっかけになった、
そんなものがわざわざ残されていたというのがなにかおかしいなと」と口木刑事は続けますが
課長はすかさず「県警に口出すの?」と咎めます。

警察の仕事は犯人を検挙し捜査を終了させることであるとするならば
警察官が想像したストーリーに一番合致する人が事件の容疑者であることが誰もが納得する終結なのでしょう。

会見を開く、いわば捜査は一段落しこれからは桐生菜々美を犯人であるとして進めていくこととなるし
雪松署長がアリバイ捜査のことを県警に打診したにもかかわらずその部分は解明されないままなのだとしたら
ここで再び県警の捜査に物申すようなことはできないと課長は考えたのでしょう。
このような警察の体質が冤罪を生んできたのでしょうか。

みぞれの話

朝陽の通話記録に残された人物みぞれさんは県警の捜査一課にいた人物でした。
余命短いみぞれさんは死ぬ前に伝えておかないとと悠日の家を訪ねてきました。
そして「あんたのお兄さんは雪松に殺されたんだよ」と言い、朝陽について話を始めます。

朝陽は雪松から逃亡中の容疑者を撃てと命じられた
容疑者は凶器を持っている可能性があると言われたが所持していなかった
署長の命令に従い撃ったがわざと的を外したこと
自宅から見つかった凶器の出所を捜査し始めた朝陽は
凶器を容疑者の自宅に置いたのは警察官なのではないかと
その考えを雪松に聞いてもらおうと思っているとみぞれさんに話したのです。

その翌日朝陽は転落死しました。
みぞれさんが嘘を言っているとは思えません。

9話の考察・伏線

【あらすじ】
雪松署長は何かを隠している。
悠日の兄:朝陽の転落死と殺害され川で発見された少年たちの事件には雪松が関わっていると考えた悠日と琉夏は
雪松家の張り込みをする。
鈴之介は朝陽が転落したホテルの聞き込みに行き
森園は殺害された少年らの自宅に足を運ぶ。
そこで3人の少年にはある共通点があることに森園は気付く。

第9話のダイジェストはこちら
https://youtu.be/z65t7qt7P6A

雪松の目撃者

鈴之介は朝陽が転落したホテルに聞き込みに行くが支配人はホテルのイメージがあると対応を渋り
従業員は辞めてしまった、顧客名簿は廃棄したと足蹴にされてしまう。
そんな時細かく指示を出す清掃スタッフの女性を見つけた鈴之介。
彼女に事件が起きた当日のことを知っているか尋ねると
事件が起きる前に屋上で雪松署長を見たと証言する。
やはりこのホテルへ朝陽が来たのは雪松の計画だったのか。
事故死にみせかけて雪松が朝陽を殺そうとしたのか。

マーヤーのヴェールをはぎ取る

『現実に囚われていると本質を読めなくなる』ことをマーヤーのヴェールという。
鈴之介は「事件の本質を捉えるためには現実世界を最適化する必要がある。3つ目の目を持つのだ」といつも言っていた。

悠日の兄:馬淵朝陽は優秀な刑事で捜査中の事故で命を落とした。
なのに署長は悠日に「お前の兄を殺した真犯人がうちの署にいる」と言ったのはなぜだろうか。
殉死とされ家族も疑っていないのになぜ事を荒立てるようなことを雪松は言ったのだろうか。

朝陽は雪松のことを尊敬し親のように慕っており、まるで初恋のようだと表現していた。
好きな気持ちが何よりも勝り、雪松は美化されたり盲目化していたのであろう。
朝陽が恋焦がれた初恋の相手:雪松の本当の姿は悪魔なのだろうか。
雪松にはまだ知らないかけられたヴェールがあるような気がする。

10話の考察・伏線

【あらすじ】
雪松署長の息子:弓弦から連続殺人は父がやったと聞かされた4人は
弓弦を鈴之介の2階に保護し朝が来るのを待った。
星砂は琉夏が作ってくれたおにぎりを2階にいる弓弦のところへ持っていく。
落ち込んでいる弓弦に「大丈夫だよ」と優しく声をかける星砂だが
ブランケットにすっぽり隠れた弓弦の左腕のやけどの跡を見てしまい咄嗟に逃げるのだが
おにぎりをくわえハサミを持った弓弦は執拗に星砂を追いかける。

外に逃げようとする星砂に襲い掛かかる弓弦。
星砂をかばい弓弦を突き飛ばしたのは森園だった。
森園の背中に突き刺さったハサミ。
異変に気付き鈴之介と悠日に着信を残すが琉夏も弓弦に襲われてしまう。

玄関先に散らばる血痕。
森園は?星砂は?琉夏は大丈夫なのか?
全ての事件のカギを握る雪松親子に鈴之介はどう立ち向かうのか。

初恋の悪魔第10話最終回の予告動画はこちら
https://youtu.be/RAa8UiND8fw

名言メモ

負けてる人生って誰かを勝たせてあげてる人生です。

事件現場から戻った馬淵悠日は「私のように40年間ポスター丸め続けて負けっぱなしの人生でいいんですか?」と上司に言われます。
すると悠日は「負けてる人生って誰かを勝たせてあげてる人生です。最高の人生じゃないですか」と微笑みながら話します。

脇役に徹することが自分の美学だと言う馬淵悠日は
心の底から自分のポジションに満足しているのでしょうか。

わかりました。わかりませんけどわかりました。

捜査資料室で署長から
「馬淵、お前友達ほしくないか?鹿浜という男がいる。
俺はその鹿浜と言う男が怪しんじゃないかと思っている。
今すぐ会って友達になってこい」と言われます。
署長の問いに断ろうとするも「お前も兄貴のように上から投げて見ろ」と言われてしまいます。

断り切れずに了承してしまう心の内を言葉にすると
「わかりました。わかりませんけどわかりました」の台詞になるのですね。

僕の理由はその他なんですね

仕事についてのアンケート記入を求められた鈴之介は4択の中に自分と合致するものはないと言い
「僕の理由はその他なんですね」といい
「この幅では書ききれない」と言います。

だいたいの人は4択のどれかを選んでことなかれで終えていくと思うのですが、
嘘をつきたくない、自分の真意はどれにも当てはまらないから『その他』を選ぶと考えると
その理由や思いを書くには記入欄は小さすぎると納得しました。

自分たちの描いた絵に事件の方を合わせようとばかりする

会計課の小鳥琉夏は”自分の話を聞いてくれる人”と過ごした幸せな3分間のお返しに
新人刑事:渚に事件解決の手柄を立てさせてあげたい
そのために悠日に転落死事件を解決してほしいと言い出したのです。
「事件は刑事課に」と言う悠日に小鳥は「事件の方を合わせようとする」という発言。
全てがそうだとは思いませんが、人は自分の物差しで「こうではないか?」と推測しそこに落とし込むことで納得し終了とする。
事が事件であればなおさら違う物差しで考えるという視点は必要だと思います。

社会を悪くする前向きさもあるんだよ

たまたま転落死事件の会議に居合わせてしまった悠日と琉夏は
自分の意見を聞いてもらえず笑われ悩む渚の姿を目にしました。

琉夏は「君は悔しくないのか」と怒りを悠日にこぼします。
悠日が「僕たちが隅にいるから真ん中に立てる人がいるんです」と言うと
「前向きなのは結構だが社会を悪くする前向きさもあるんだよ」と言います。

前向き=良いこと と捉えがちですが物事の本質を見ないようにしているだけ と考えれば何も変わらない、むしろ悪くなっていくだけ。
細かい性格で堅物、名前を間違えたら返事をしないと決めているめんどくさいタイプの小鳥琉夏は
ただの偏屈ではなくどこか筋が通っているように思えます。

この世には知らなくていいことがある。むしろ何も知らないことを人は幸せと言う

悠日が鈴之介の自宅を初めて訪問したときも鈴之介は「この世には知らなくていいことがある」と言ってドアを開けました。
同じ言葉が鈴之介の口から2回出ると言うことは彼の信条なのでしょうか。
推理して真実を知ることよりも知らないままでいることの方が幸せだと言うことなのでしょうか

人間からお風呂とお布団を奪ったらどうなる?

会計課・小鳥琉夏は廊下から会議室の中を見てため息をつきます。
「1人で作業させられている。もう3日家に帰っていない」
会議室の中では新人刑事・渚が一生懸命団地の監視カメラの映像をチェックしている姿がありました。

「ガンジーだってナイチンゲールだってお風呂とお布団が無かったら人を愛せなかった。
今すぐあの人にお風呂とお布団を返してあげなくっちゃだめなんだ」とつぶやきます。
「人間からお風呂とお布団を奪ったらどうなる?」という琉夏に
「殺しあう」という星砂。
星砂の意見は極論だと思いますが人が人らしくいるためには
お風呂とお布団が必要なことは間違いありません。

動機なんて誰だって持ってます

日出夫は兄に借金があり嫉妬もある。
動機としては十分だとし犯人は弟の日出夫だとする琉夏に対して悠日はアリバイがありますと否定するも
琉夏に「アリバイより動機だね」と言われて思わず声を荒げます。

「動機なんて誰だって持ってます。羨ましいとかずるいとかそれくらいの動機誰だって持ってます」
「人を殺す動機があるくらい人間は普通です。だからって誰しもが罪を犯すわけじゃないでしょ?」

人を殺すことに動機などいらない という鈴之介。
人を殺す動機など誰にでもある という悠日。
人が罪を犯すかどうかの境界は本当に紙一重なのでしょうか。

警察なんてどうだっていいんだよ。ラーメンくらいのびたっていいんだよ。話したいことがある時は。

自宅捜査会議を終え星砂と悠日は帰り道に川沿いの土手に座りビールで祝杯を上げます。
悠日は自分の父親も兄も刑事だったこと、警察学校で半年頑張ったこと、警察職員になって両親に許してもらったこと
兄が殉職したことをぽろっと星砂に話してしまいました。
「すみません、いらない情報を…」と謝るのですが星砂は
「いつ?いつだよ?」と言い「その話、初めて人にするんだろ?」と悠日の心に寄り添います。

3年間誰にも話せなかった兄への想いを星砂に話す悠日。
”またやらかしちゃったなぁ”
”昨日電話に出なかったから兄ちゃん死んじゃったんだなぁ”

『僕はもう十分です、結構です、僕は満足なんで皆さんで楽しんでください』ってやり過ごしている悠日の本当の心の中は
『笑うな、俺を馬鹿にするな、俺にアドバイスすんな、俺に偉そうにすんな、もっと俺を尊敬しろ』
その感情をうまくコントロールできなかった悠日は兄とうまく過ごせていなかっただけでなく
他の人に対しても自分の考えを主張せず波風を立てず笑顔で過ごし
争うことはせずに生きていく方法に自分らしさを当てはめたのでしょう。

心の奥底に隠した気持ちを星砂に話している途中、2人はパトロール中の警官に「そこで何をしている?」と声をかけられます。
「すいません」とすかさず謝る悠日に
「ちょっと待ってくれよ!5分、お願いだから5分待ってくれよ!」という星砂。
「あれ、警察…」と動揺する悠日に
「警察なんてどうだっていいんだよ。ラーメンくらいのびたっていいんだよ。話したいことがある時は」とたしなめる星砂。

今の悠日には星砂のように強く自分を肯定してくれる人間が必要なのでしょう。
その後星砂に渡された携帯電話を手に兄:朝陽と話せなかった話をする悠日の笑顔と涙は何度見ても心が揺さぶられます。

フラれたんじゃありません、僕がフリました

婚約者のユキちゃんから「お互いを独占しない、オープンマリッジ”でいいよね」と言われた悠日は
相手にあわせる生き方を選び「最高です!」と心にもない言葉で自分をごまかしていました。

星砂と話すうちに自分の感情を伝えてもいいのだと考えるようになった悠日は、
自分だけのことを想ってくれるなら改めてユキちゃんにプロポーズしたいと伝えました。
しかしユキちゃんは現れず、花束をもって警察署に戻る悠日に
星砂は「フラれたのか?」と何度も茶化します。

「ぼくがフラれたということは誰かが結ばれたと言うことですから…」といつものように言いつつも最後は
「フラれたんじゃありません、僕がフリました!」と変顔しながらも胸の内を言った悠日に
星砂は悠日の胸にこぶしを当てて「その通りだよ!」と言います。

”自分の気持ちを優先してもいいんだ、君の行動は間違ってないよ”と星砂に太鼓判を押されて
少し嬉しそうな悠日の表情が印象的なシーンです。

がんばれ僕のアドレナリン、いくぞ僕のドーパミン

大雨の夜、鈴之介の玄関を激しく叩く隣人の森園。
手にはシャベルを持ち額から血を流している森園をみて、ついに自分を殺しに来たと悟った鈴之介は
自分のハサミコレクションの中から大きなハサミを持ち森園との対決を決意します。

家の中から森園の様子をのぞき見し、いつか凶悪事件を起こすのではないかと睨んでいた鈴之介。
自分で自分を鼓舞するようにアドレナリンとドーパミンを応援する台詞に思わず笑ってしまいました。

僕以外の世界中の人は摘木さんのことが好きなんだろうなって思うんだよ

森園は鈴之介の家に入ってきた強盗を追いかけてシャベルを持って、いわば鈴之介を助けに来てくれた人でした。
それどころか自分が流血しているにも関わらず鈴之介の指のケガに絆創膏を貼ってくれる優しい人。
警察の偉そうな事情聴取に鈴之介の心は疲れ切ってしまいました。

「僕の人生はタスクオーバーだ」と言って悠日の膝を枕に寝転ぶ鈴之介。
膝枕に安心してか自分の気持ちがぽろぽろこぼれてきます。

「強盗に包丁を向けられた瞬間、僕の脳裏に浮かんだのは摘木星砂さんだ」
「君は摘木星砂さんの事をどう思う?」
「僕以外の世界中の人は摘木さんのことが好きなんだろうなって思うんだよ」
と言いながらゆっくりと流れ落ちる涙。

悠日は「鹿浜さんが摘木さんの事が好きだっていう意味ですね」
と解説してくれたのですが
眠りに落ちた鈴之介に聞こえていたかはわかりません。

自分の気持ちに自分で気づかない。どういう事?

琉夏に冷却シートを貼ってもらう鈴之介は人生で5回目の発熱だと言い
「小学生の時オクラホマミクサーを踊った次の日熱が出た。
中学生の時お手紙をもらった次の日熱が出た。21歳の時…4回目は…」と言います。
それを聞いて琉夏は「おそらく君は恋をすると微熱が出るタイプなんだ」と言い
悠日は「それは”恋煩い”です」「自分の気持ちに気付いてないだけですよ」と言いますが鈴之介は反論します。

「自分の気持ちに自分で気づかない。どういう事?」
「だったら今この5回目は…」と言い黙ってしまいます。

「ありえない、僕は犯罪にしか興味のない人間なんだ。
言ってみれば悪魔に恋をした異常者だ。恋愛感情なんてものを持つわけないだろ」

ここにも自分の気持ちに蓋をして自分で自分の鎧を作ることで心を痛めないようにして生きてきた
自分を異常な人とカテゴライズしたことで恋愛から縁遠く生きてきた不器用な人間がいたのですね。

同じモノでできてても全く違うものってあるだろ

サラダのトマトを除けているのを見て「トマトソースもダメなんですか?」と言う悠日に
「トマトソースはうまい。同じモノでできてても全く違うものってあるだろ」と話す星砂。
「肉じゃがとコロッケとかですか?」という悠日に
「街だって昼と夜じゃ変わる」と言って頷きながら笑います。

「摘木さんはどういう人が好きなんですか?」と聞かれ
「どういうって・・・どういうのが好きとか決めてそういうのを好きにならなくないか?
これ美味しいな 一緒に食べたいな そういうことをふと思うのが好きってことなんじゃない?」

星砂の言葉はシンプルでありながら奥深い哲学のような言葉です。

普通という言葉に怖れを抱きおびえてしまう人間は存在するんだ

事件は万引き事件ではなく横領事件でした。
知らなくていい真実を知り事件を解決できたのですが星砂に笑顔はありませんでした。
事件を推理したのは自分のエゴだからお礼など言わなくていいと言う鈴之介は星砂には会わないと言います。

今まで自分にも何度か初恋のチャンスはあったのに全部捨ててきたと言う鈴之介は、僕が触れると花は枯れ人間関係も枯れると言うのです。
そんな鈴之介を慰めようと悠日は「ただ普通にして普通に好きになればいいんだと思います」と言いますが、逆に鈴之介からこう言われます。

「君は人から気持ち悪いと言われたことはないだろ」
「真淵君、君は優しい人だけど、そういうことを言ってはいけないよ。
普通という言葉に怖れを抱きおびえてしまう人間は存在するんだ」
「目の前にいる人が今にも あなた変だよ なんか気持ち悪い
そう言いだすんじゃないかと思って存在を消してしまいたくなる人がいるんだよ」

淡々と自分を分析し普通から少しはみ出ている自分はどんなカテゴリーの中でも『変わり者』なんだと言う鈴之介。
だから前回鈴之介は悠日の肩に触れることができなかったのですね。
繊細過ぎて人の気持ちばかり考えすぎてしまうのでしょうか。
悠日との関係は枯れさせたくなかったのに。

普通の人とか特別な人とか平凡とか異常とか そんなのないと思う

普通の人間の自分から見たら感受性がないことが恥ずかしくて
変わり者派が羨ましくて特別な方が全然いい と鈴之介のことを子供の頃の友達に例えて星砂に話す悠日。

「ないものねだりっていうけどさ。普通の人とか特別な人とか平凡とか異常とか そんなのないと思う。
ただ誰かと出会った時にそれが変わるんだよ
平凡な人を平凡だと思わない人が現れる。異常な人を異常だと思わない人が現れる。
それが人と人との出会いの良い、美しいところなんじゃないの」

この星砂の言葉は普通派代表ともいえる悠日にも
変わり者代表としての鈴之介にも響く優しくて深い言葉だと思いました。
鈴之介にも星砂の言葉が聞こえたらいいのにと思いました。

「私にはあんたは平凡には見えないよ。特別な人だよ」という星砂は、
自分の中で知っていることを正直に悠日に伝えないといけないと確信したのでしょうね。

妻ズということでしょうか

森園はシリアルキラーではなくサスペンス小説作家だと鈴之介に名乗ったのですが
どうも森園の家には妻以外に2人の女性が出入りするようです。
そのことに気付いてしまってから鈴之介は混乱しています。

隣人は強盗から鈴之介を守り監視カメラの存在を教えてくれたいい人だったのに
鈴之介は森園の監視を辞めることはできません。
森園と女性の姿を見ていたのにカーテンを閉められてしまい思わず外に飛び出した鈴之介は
絆創膏をくれた女性から「森園の妻の千尋です」と声をかけられます。

咄嗟に「すいません、僕が知ってる以外に妻という言葉の意味はありますか?」と千尋に言います。
鈴之介は混乱しているとすべて言葉になってしまうのかな?

千尋を出迎えに来た森園に「ただいま」と言う千尋をみて
鈴之介は自分なりに納得いく答えを見つけたようです。
「なるほど…なるほど。。。妻ズと言うことでしょうか。
ライオンズ、アベンジャーズ、妻ズ!」

鈴之介の思考回路、複雑のような単純なような。
事に男女の恋愛事情では回路が独特すぎますよね。

そういう意味で大丈夫です

混乱している鈴之介は
「僕は誤解していたと言いましたがあれは誤解の誤解でした。
あなたはやはり素晴らしい人だった!」と笑顔で森園夫妻に宣言します。
森園は「大丈夫ですか?」と声を掛けますが
「大丈夫ですか?僕が大丈夫だったことは一度もありません。
そういう意味で大丈夫です!」と笑顔で走り去ります。

森園の中にシリアルキラー(連続妻殺人?)の要素を再確認したのでしょうか。
「わからないけどわかりました」に通じるニュアンスを感じます。
いつもながら笑えて深くて哀しい言葉です。

片思いはハラスメントの入り口だ

病院にお見舞いに来た悠日と琉夏ですが、琉夏は自分のせいで渚が犯人に狙われケガを負ったと思っています。
悠日に「小鳥さんのせいじゃないですよ」
「好きだからしてあげたことじゃないですか」と言われても
「僕が調子に乗ってクイズを解いたからこうなった」
「片思いはハラスメントの入り口だ。僕は彼女に片思いと言う暴力をふるってしまった」と言う琉夏。

人を想う気持ち、それが一方的であればあるほどハラスメント行為ともいえる。
だからこそ節度が必要なのだけど”好きな人のため””好きな人が喜ぶため”だけに発想や行動が固執しすぎないようにする
同じことをしても好意的にとるか嫌悪ととるか
そこには行為そのものではなく感情が入り込んでいる
そのギリギリの境界を超えるか超えないかを”ハラスメントの入り口”と称したのでしょうか。

そういうことは困ってる時に助けてもらったことがある人に言ってくれ

渚が負傷したことへの責任感から犯人を突き止めようとする悠日と琉夏は鈴之介の自宅へ向かいます。
インターホン越しに「頼む、力を貸してくれ。このままじゃ犠牲者が増えていく」と頭を下げる琉夏と悠日。
扉を開けずに鼻で笑うような態度を見せた鈴之介に対し
「どういうつもりなんだ?困っている人を助けたいとは思わないのか?」と激怒する琉夏。

「そういうことは困ってる時に助けてもらったことがある人に言ってくれ」
「僕がたった一人心を許した友達の名前は孤独だ」

人を動かすのもまた感情や経験なのだ と言うことなのでしょうか。
人はしてもらったことしか してあげられないのですね。

偶然通りがかっただけだ

鈴之介の協力を得られないまま琉夏・悠日・星砂の3人は悠日の家で自宅捜査会議を行います。
犯人から出された99個の数学的クイズを解き明日の朝7時までに予告犯行現場を探しそうとする琉夏。
ネクタイを頭に巻きランボースタイルで問題に挑みます。

犯行現場を突き止め、乗り込んだものの矢を装備したドローンに狙われ逃げる3人。
転んだ琉夏を助けようとした星砂。2人を守るようにドローンに背を向ける悠日。
間一髪のところで現れた鈴之介。愛読書である『AMERICAN MURDERERS』で矢を射止め3人を助けます。

「鹿浜さん、来てくれたんですね」と言う悠日。
鈴之介も同じ問題を解き犯行現場を突き止め星砂を守ろうとしたのでしょう。
戦闘服を身にまとい見えない犯人と戦おうと現場に赴いた鈴之介ですが
悠日の背中に回した星砂の腕を見て、2人の関係を鈴之介は感じ取ってしまったのですね。

人を好きになると言うことは傷を作ると言うことだ。マイナスとマイナスを掛け合わした時にプラスになるように傷を分け合えた時に相殺されるだけだ

「大丈夫ですか?」「うん」
2人の何でもない会話の中に星砂を守ろうとする悠日の気持ちを感じ取った鈴之介。
「僕にもようやく人を好きになると言うことがわかってきた」
と悠日と星砂に話し始めます。

「人を好きになると言うことは傷を作ると言うことだ。好きと痛みの違いは、さほどない。
ただマイナスとマイナスを掛け合わした時にプラスになるように
傷を分け合えた時に相殺されるだけだ」

「僕の考察はまちがってるかな?」と悠日に問う鈴之介。
何も言えない悠日の代わりに「たぶん あってるんじゃないか?」と答える星砂。
即座に「うん、良かった。僕にはそれはいらない」という鈴之介は笑顔を浮かべて悠日にむかって言葉を続けます。

「ただ、君たちに言うことはできるよ。
おめでとう、幸せになってください」
鈴之介の笑顔に胸が詰まります。

星砂に恋をしていた頃は自分と星砂がペアカップにしたのに
今回は悠日と星砂にペアカップを差し出す鈴之介
自分の気持ちよりも他人の気持ちに気付くことからしか
自分の気持ちを表現できない不器用な人間。
恋を知り恋を失いながらも相手を祝福することで自分の気持ちに決別しながら心の傷を癒すのでしょうか。

困ったら僕を見てください

悠日の家から出ていこうとする星砂は玄関の靴を見つめます。
悠日の靴の横に揃えて並んでいる星砂の靴。
いつものように踵は踏まれているけど悠日の傍に寄り添って並んでいます。

本当は傍にいたい でも自分でもわからない自分が何をしてしまうのか怖い
好きな人を傷つけてしまうのではないか、兄が死んだ理由に自分が関わっているのではないか もしかしたら既に傷つけたかもしれない と思う星砂。
二つ並んだ靴は星砂の心を映している

部屋を出ようとする星砂の腕をつかみ悠日はそっと星砂を抱きしめながらこう言います。
「トマト嫌いですよね。どんな食べ物が好きですか?」
エビフライ と答える星砂に
「わかりました。覚えました。僕が好きなのはトマトが嫌いでエビフライが好きな人です」
「僕があなたを知っています。僕が知っている限りあなたはいなくなりません。
困ったら僕を見てください。僕があなたはあなただって言います。大丈夫、絶対いなくなりません。僕が知っていますから」

自分の中の別人格「ヘビ女」を恐れる星砂は逆に「ヘビ女」からみたら邪魔な存在は自分なのかもしれないと言います。
星砂は自分で自分に苦しめられている。
だからこそ他人と関わらないようにし人と距離を置いてしまう。
そういうこと全てを受け止めわかっていてくれる人。
それが『守る』と言う事なのでしょう。
自分のことをわかってくれる人が傍にいてくれる。
『守る』と言うことは『愛する』と言うことなのでしょう。

幸せそうな人をみてどう思うかで自分が幸せかどうかが決まる

星砂との2ショットの画像を見て幸せに浸る悠日。
そこへ琉夏がやってきてぼそっと言った後「幸せそうな人をみてどう思うかで自分が幸せかどうかが決まる。どうやら今とても不幸だ…」と嘆きます。

琉夏の片思いの相手・渚は事件解決の手がかりをくれる相手が鈴之介ではないかと思っていて
鈴之介と一緒に仕事が出来たらと自分も成長できると喜んでいるのだが鈴之介と連絡が取れないことを心配している。
渚のために鈴之介の様子を知りたいが素直に謝れない琉夏。

ただ駄々をこねて悠日に愚痴を言いながらもそれが大人げないこともわかっていて甘えてくる小鳥琉夏という男。
実のところ、子どものような内面を隠すため理性を装い偏屈で冷たい外面で自分を守る一番めんどくさい人間なんですね。

「仲良くすればいいじゃないですか?カラオケ一緒に行くとか」と悠日に言われ
「隕石の衝突を止めることができたとしても彼とカラオケには行かない!」
大きく断言しましたよね。琉夏さん。

世の中を恨む悪魔になっちゃダメ。人は人。自分らしくしていればいつかきっと未来の自分が褒めてくれる。僕を守ってくれてありがと

鈴之介は自分が住んでいるこの家は鈴之介のものではなく”椿静枝さん”からもらったと森園に話します。

仕事からの帰り道、座り込んだ女性をおんぶして自宅に送り届ける鈴之介。
「同情されるのは嫌いなの」と言う女性に
「ご安心ください。私は冷血な変人です」という鈴之介。
「私とおんなじだ」と言って笑う女性、その人が椿静枝さんでした。

それから時々椿さんのところを訪れる鈴之介。
ご飯を作り一緒に食卓を囲み”一緒にいると優しい気持ちになれる”時間を過ごす鈴之介。。
きっと椿さんも鈴之介と同じ気持ちだったのでしょう。
鈴之介に服を買って着せてふたりでトランプをする、そんな穏やかな時が流れるリビングで椿さんが言った言葉。
「世の中を恨む悪魔になっちゃダメ。人は人。自分らしくしていればいつかきっと未来の自分が褒めてくれる。僕を守ってくれてありがと」
鈴之介にとって自分がこの世にいてもいいと受け入れてくれた人それが椿静枝さんだったのです。

人の悲しみって喜びを知ってしまったことから始まるものなんだ

鈴之介は椿静枝さんとの静かな日々に終わりが訪れました。
突然亡くなってしまった椿さんは鈴之介の気持ちに大きく影を落としました。
”歓びを知るべきではなかった、いつか失われていくものだから”

そういって失う事の悲しみに耐えきれない鈴之介。

身寄りのない椿さんから鈴之介が家を譲り受けたのは、椿さんがこの家にいた記憶とその時間を失いたくなかったのでしょう。
歓びも悲しみも記憶してくれる人がいるだけで、その人には価値があるのです。

人はどんな一生を送ろうとも後悔をする必要がない

椿静枝さんは地下室で市役所職員の男を監禁していました。
旧中学校の外壁が倒壊したことで亡くなった娘と孫の裁判を行う為に。

予見できない不慮の事故だった
予算の範囲内で調整するしかなかった
人がいることに数時間かかったのは警察や消防のミスなんだ
自分だけの責任ではないと訴える男に
椿さんは終身刑を言い渡します。

監視モニターが隠されていた扉の中から椿静枝さんが書いた手帳を見つけた悠日、琉夏、星砂の3人によって
鈴之介と森園は無事地下室から助け出されました。

監禁されていた男はその後逃げることができ椿さんは逮捕。
情状酌量で執行猶予が付いたのが1年前。
もう一度監禁しよう、こんどこそ失敗しない、あの子たちの無念を晴らしてみせる
そう思っていた椿静枝さんと出会ったのが鹿浜鈴之介でした。

眉をひそめ、いつもしかめっ面で他人を拒否することばかり言う鈴之介に
”世の中は美しいものではないけれど自分自身を醜くしてはいけないよ”と思わず言ってしまった椿さん。
鈴之介と過ごす時間は椿さんの気持ちに変化を与えたようです。

”悲しみが消えたわけではありません。ただ娘と孫が生きたこの世界を恨みたくなくなったのです。
たとえどんな最後を迎えようと生まれてきた場所がこの世界でよかった。
人はどんな一生を送ろうとも後悔をする必要がない.
生まれてきたことに幸せがある”

椿静枝さんの手帳に書かれた手紙の最後には
”あなたに助けられました。
ありがとう、鈴之介くん” と記されていました。

「ちょっとおしっこ行ってきます」と言って席を外した鈴之介の嗚咽が部屋に響きます。

椿静枝さんに救われた鈴之介は自分が意図していないところで頑なだった椿さんの心を救ったのですね。
きっと椿さんは鈴之介の中に自分をみつけ、鈴之介のために言った言葉で自分自身の呪いを解くことにつながったのでしょう。

このサビをスルー出来る人間はこの世に存在しない

閉じ込められた地下室から救出してくれた3人に
鈴之介は「今日はありがとう」と言います。
突然の素直な言葉に琉夏は「それは何?人々が通常使っている意味でのありがとう?」と鈴之介のような返しをします。
「別の意味があるのか」という鈴之介に「ないよ」と即座に言う星砂。
「そうかそうか…今度カラオケでも行こうか」と照れ隠しに笑う琉夏に「いいよ」と言う鈴之介。
「今、行く?」「いいよ」で3人の顔が笑顔になります。

カラオケではYUIの『CHE.R.RY』を琉夏が歌い
電話で食べ物の追加注文をする星砂と鈴之介の今後を心配する悠日。
刑事に戻るのかどうかを聞かれ「どうだろうね」とはぐらかした鈴之介は突然
「恋しちゃったんだ たぶん 気づいてないでしょ~!」とハイトーンで歌い始めます。
そして「このサビをスルー出来る人間はこの世に存在しない」と言いみんなで「チェリー 指先で送るキミへのメッセージ」と声を揃えて歌います。

鈴之介をステージに連れ出す琉夏、鈴之介と肩を組む星砂、タンバリンで盛り上げる悠日。
みんながみんな嬉しそうで楽しそうで幸せそうな顔していて
こういう時間が『かけがえのない時間』っていうんだろうなって思いました。

甘酸っぱい恋が始まる気持ちを歌った『CHE.R.RY』
この曲が流行ったころの鈴之介も一緒に行く友達ができたら一緒に歌いたかったのでしょうね。

自宅に戻り眠りについた鈴之介は夢の中で過去の自分をそっと抱きしめて
「大丈夫。自分らしくいればいつか未来の自分が褒めてくれる。
僕を守ってくれてありがとうって。友達もいつかできる」
と教えてあげます。
よかったね。あの3人がいてくれて。
よかったね。友達だって思えるようになって。

人間って大事な思い出は体全部で覚えるんだな

星砂は不安な日々を過ごしています。
楽しかった日があればこそ、失うかもしれない恐怖をより感じてしまうのでしょう。
悠日の部屋から電車を見て、幼かった頃一緒に住んでいたおばあちゃんの匂いを思い出すという星砂。

「人のこととか嬉しかったこと、悲しかったこととか そういうのって数字なんかには残せないから
人間って大事な思い出は体全部で覚えるんだなって」
「大事なことは体全部で覚える、それが生きるってことなんだなって思う」
「だからね あんたね 私に何があっても私の事覚えててくれるかな?」

不安げな星砂を抱きしめて「覚えなくたって忘れるわけないじゃないですか~」とはぐらかすように笑う悠日。
星砂の不安な気持ちをしっかりと受け止めて星砂を守ってあげられるのは悠日しかいないと思うのです。

さっき会ったばっかの人に私の何らしさがわかるんですか?

東京で出会った星砂は今まで鈴之介が知っている星砂とは明らかに違っていた。
そのことに戸惑いながら星砂の言うなりに屋上に連れてこられた鈴之介は名前を聞かれさらに混乱します。
「どうしてそう他人行儀に振舞う?」
「他人じゃないですか」
「違う!…ち…がわない。。他人だけど、君は摘木星砂さん。。。」
鈴之介の様子にくすくすと笑う星砂をみて
「違う。君は摘木星砂さんらしくない」と言ってしまう鈴之介。

すると星砂は「さっき会ったばっかの人に私の何らしさがわかるんですか?」と突っ込みます。
実際鈴之介は星砂らしい部分をよくわかっているので”さっき会ったばっかの人”ではないのですが
あまりよく知らない人から「あの人はこういうタイプ」だとか
「こういう事してそう」「そういう事言いそう」などと言われることってありますよね。
そんな時星砂の言葉を借りてさらっと「私の何らしさがわかるんですか?」って切り返してみたいと思いました。

昔のことだからだよ。言い返せなかった事って残るでしょう?

鈴之介は星砂の家だと言う漫画喫茶についていきます。
小さなソファでの星砂との距離感に戸惑う鈴之介。

自分たちの関係を元カレ?元カノ?と聞かれさらに動揺してしまう鈴之介は
中学生の頃もらったラブレターに書かれたように白百合を持って体育館に現われた鈴之介を見て
全員が笑った時のようだと星砂に話すのですが星砂は「クソだね」と怒り出します。

「君が怒ることじゃない。ずいぶん昔の事」となだめようとする鈴之介に
「昔のことだからだよ。言い返せなかった事って残るでしょう?
あなたのしてることは失礼だよ、私は怒ってるんだよって言えなかった事って何年たっても残るでしょ?
今となっては言い返せないし」
「そういうのってシャツのシミみたいに残るんだよ」と怒りをぶつける星砂。

「君が怒ってくれたからもう大丈夫。シャツのシミは消えた」と話す鈴之介。
シミは無かったかのようにすっきり消えたかどうかはわかりませんが鈴之介にとって星砂の気持ちは嬉しかったに違いありません。

きれいごとは初めはきれいじゃなかった

東京へ行き間庭製作所で過去を知る人々を探す星砂と悠日。
お世話になった人々に会っても思い出すことができなかった星砂は
「いろんな人を傷つけてたのかもな」と言います。

新しいカーテンを2人で付け替えながら悠日は「僕は前向きな言葉が好きです」と話し
「きれいごとを口にしてきた人って、泣いてきた人だと思うんですよね。
必死に生きて なのに転んで傷ついて。それでももう一度立ち上がろうとした人たちの言葉だと思うんです。
きれいごとは初めはキレイじゃなかった。たくさんの人が泥を拭いて涙と血を拭いてキレイになったんだと思うんです」
「空を飛ぶには滑走路が必要だ。雨が降らなければ虹は出ない。今はそういう時期なんだと思います」

悠日は気づかずに1人で喋っていますが、星砂の様子は次第に変わっていき
悠日の「最高!」っていう言葉に悠日の家を飛び出していきます。

自分の気持ちに蓋をして感情を殺し泣けなかった10代の星砂には悠日の言葉を素直に同意できなかっただけでなく
いたたまれない気持ちになるのでしょうか。
悠日が何気なく話した言葉の中にもう一人の星砂が顔を出す言葉があると思うのです。

人間には普通も異常も正解も不正解もありません

悠日の家から飛び出した星砂は鈴之介の家を訪ねます。
星砂との会話に翻弄される鈴之介は思ず「君はまるで2人いるみたいだ」と言ってしまいます。
「君という1人のその中に別々の人物が存在する」
それをすんなりと「そうですよ」と返す星砂を見て
「いや、やはり聞くべきではなかった。それは君の個人的なことであり
僕はそういうことはそういう事としてただ受け入れればよかった。
不用意な質問をしてしまいました。申し訳ありません」と謝る鈴之介。

「でも普通聞いちゃいますよね、不思議なことだし」という星砂に
「不思議なことはありません。人間は人間の全てを理解しているわけもなく
どんなことも起こり得ますし、人間には普通も異常も正解も不正解もありません。
2人いるなら2人いたって良い」

それを聞いて星砂は笑い出し「鹿浜鈴之介さんは素敵な人ですね」と言います。

そうです。鹿浜鈴之介という人物は人間として本当に素敵な人なんです。
それを感じることができるかできないかだけの問題なのです。

途中でやめようとした話こそ一番話したい話です

星砂と鈴之介は一緒に餃子を作るためキッチンに立ちます。
食材がたくさん入った冷蔵庫を見た星砂はリサのことを話しますが
「ごめんなさい、喋りすぎました」と話を終えようとします。

すると鈴之介は「続けてください。途中でやめようとした話こそ一番話したい話です」
と星砂に言います。

これって第2話で星砂が悠日に「その話、初めて人にしたんだろ?」と言った時の気持ちと同じなんじゃないかと思いました。
誰にも言ったことのない心の蓋が少し開いたときに
「話してもいいんだよ」「やめなくていいんだよ」って背中に手を添えるような言葉をかけてあげられるような人は
本当の意味で強く優しいひとなんだろうなと思いました。

ここの家賃はお金じゃない。「ただいま」「おかえり」っていう事だよ

16歳の家出少女だった星砂はリサに声をかけられ、お腹いっぱいご飯を食べさせてもらいました。
「今日からここにいなよ」と言われた星砂は「家賃とか払えないんです」と言うとリサは
「バカ。ここの家賃はお金じゃない。「ただいま」「おかえり」っていう事だよ」と言い
星砂以外にも数人の家出少女を引き取り、家で勉強させていたというのです。

星砂の人間性に大きく影響を与えた人、淡野リサ。
自分は一生懸命働き、お金が足らなくなればブランドのバッグや靴を売ったリサ。

リサも家族に憧れていたのでしょうか。
それとも自分に似た境遇の女の子のことを心配して見守っていたのでしょうか。

「ただいま」「おかえり」って毎日言う場所は家、言い合うのは家族。
その時のリサと星砂はまさしく家族です。
だから星砂が初めて悠日の家に行ったとき「おかえりなさい」と言われても
素直に「ただいま」という言葉が出なかったのですね。

遠回りしている今が一番素敵な時なんだよ

風の強い夜が好きなリサ。
”風の気持ちいい夜は遠回りするんだよ。
人生で一番素敵なことは遠回りすることだよ。
だから私たちは悲しくない。遠回りしている今が一番素敵な時なんだよ”

リサが星砂に言った言葉。
リサと一緒に暮らす少女たちが風に吹かれて遠回りしたことで出会った今を楽しむ
まっすぐに目的に突き進む人生が幸せだとそう教え込まれて挫折や失敗を回避しすることが重要だと
しかしそれは果たして幸せで素敵な人生なのでしょうか。
心のゆとり、そういう時間も楽しめる気持ちが幸せにつながるのではないかと思うのです。

今の君に必要なのは睡眠とプライスレスな優しさだ

雪松署長を殴ってしまった悠日は自宅謹慎を言い渡されてしまいました。
悠日の自宅で琉夏はおもむろに床に正座をし、自分の膝をポンポンと叩き
「おいでやす」と悠日に声をかけます。
「僕だって君に膝なんて貸したかないよ。だけど今の君に必要なのは睡眠とプライスレスな優しさだ」

堅物で他人を思いやる優しさなど見せたことのない琉夏が
傷ついた悠日の心を癒すための精一杯の愛情表現が『ひざまくら』なところが
なんだかグッとくる名場面だと思います。

だけど余計な一言を言ってしまうところが琉夏らしいし
悠日もそんな友達の存在が嬉しかったと思います。

偽物じゃないですか、本物が戻ってきたらまた消えるんで

羽鳥川で起きた3番目の事件を解決すればリサは冤罪で誰かにはめられている事を証明できるかもしれない。
星砂は鈴之介の家で事件について調べます。

鈴之介は星砂に「寝室で寝てください」と言うのですが星砂は
「普段通りにしていてください。私いついなくなるかわからないんで」と言います。
「偽物じゃないですか、本物が戻ってきたらまた消えるんで」

「それはわからないんじゃないですか。あなたの方が本物かもしれないし…」と言う鈴之介の言葉を遮るように星砂は話します。

「私自転車に乗れるんです。でも自転車の練習した記憶はないんです」
「人って記憶でできてるでしょ?そういうのがその人を作ってる。
だから思い出の数が多い方が本物だと思うんです。
だから消えるとしたら私だと思います」

いつかまた自分が消えて別の人格で生活する時間が来るとわかっている星砂。
冷静に話していますが本心はどうなのでしょう。

私たちには何も思い出はありません

『思い出の数が少ない方が偽物で偽物の方が消える』という星砂に
「思い出と言うなら今こうしていることが…」と言いかける鈴之介に星砂はきっぱりと言います。

「今のこれは思い出にしないでください。これは鹿浜さんを巻き込んじゃってる思い出だから」
「普段通りの1人暮らしの鹿浜さんで。私たちには何も思い出はありません」

「もとよりそのつもりです」と答えてあげる鈴之介。
星砂が求めているようにすることは鈴之介にとって思い出にすらできない記憶なのですね。
星砂の願いは鈴之介には切なくて苦しい要望です。

こうなった以上受け入れてほしい

鈴之介が悠日に言ったこの言葉は星砂が鈴之介のことを頼っているから
恋人としての立場を譲ってくれと言っているわけではなく
星砂の人格が2つありどちらも星砂なのだという事情をわかってあげてほしい
鈴之介の家にいる星砂のことは思い出にすらしないでくれと言われていて
星砂が覚えていないのはともかく鈴之介の記憶にも存在されてもらえない日々を受け入れてあげなくてはならない気持ち。
仕事も恋人も失ってしまった悠日の悲しさもわかるのですが鈴之介の悲しさの方が際立った台詞だなと思いました。

人に見せたい顔と本当の顔は違う

恋人を殺した容疑者とされた桐生菜々美はその時間は1人カラオケをしていたと言い、動画を撮って配信していました。
その動画には『昨日彼氏が殺されました。なぐさめてください~』とコメントが入っていました。

”恋人が殺されたのに人としてこの動画はどうなんだと一般的には思うだろう”
しかし鈴之介は
「人に見せたい顔と本当の顔は違う。彼女がどんな気持ちだったかなんてこんな動画じゃわからない」と言いました。

そうなんです。それがマーヤーのベールなのでしょう。
真実を覆う「幻想」。思い込みや常識にとらわれて本質が見えなくなってしまうこと。

恋人が殺されたのにこんな動画流してフォロワーを増やす道具にするなんてありえない としてみるか、
悲しい顔より楽しく過ごす自分を見てもらいたい、記憶に残したいと思ったのか
受け取る人によってどう感じるか、特にSNSなど切り取った一部分だけみてそれが全てのように感じ反応する今の社会への
痛烈な批判だと感じました。

それで少しは怖くなくなりますか?

リサは私を助けてくれたのに自分は2回も見捨ててしまった。
私は私じゃなくなるかもしれない。
もしかしたらもう戻ってこれないかもしれない。
そしたらもうリサを助けてあげられないかもしれない。
不安な気持ちを星砂は少しずつ吐き出します。

「僕はこういう時なんと声をかければいいのかわからない。
全てを理解した訳でもないし全てが信じられるわけでもない。
でももし、また君がいなくなることがあったら後は引き継ぎます。
それで少しは怖くなくなりますか?」

自分の中で記憶がない時間が増えていくことが怖い星砂。
それは悠日に話す星砂も鈴之介に話す星砂も同じ感情。
もう一人の自分の存在が誰かを傷つけ誰かを悲しませていたら
そして自分自身をを苦しめているのだとしたら

根拠はないけど愛する気持ちだけで「大丈夫」「守る」と言う悠日と
精一杯の感情であなたの思いを受け継ぐと言う鈴之介。

人づきあいが苦手で優しくて深い心を持つ鈴之介は
星砂の心に寄り添い力になりたい、安らぎを与えたいと一生懸命に心を伝えました。
どちらの星砂にも幸せになってほしいし鈴之介の初恋もなんとか
なってほしいと思ってしまいます。

あなたにはあなたでいる権利がある

ケーキを買って帰ってきた鈴之介。
イチゴとマスカット、どっちがいいか星砂に聞こうとしたら
同じことを星砂が鈴之介に言いました。
テーブルの上にはイチゴとマスカットのケーキが。
「両方食べれてよかったです」と言う鈴之介。

ケーキの上にのっているイチゴをつつきながら
「リサが外に出たらまず戻る方法を考えるね」と話す星砂に
「戻らないこともできます。あなたにはあなたでいる権利がある」と言う鈴之介。

自分は消えていく存在であり自分が楽しんでいることがもう一人の星砂に対して申し訳ないと言う星砂に対して
鈴之介はそんなことしなければいい、無人島で暮らせばいいと言います。

「無人島に引っ越して誰ともかかわらず、トカゲとかコウモリとかカメムシとかそういう嫌われ者と暮らせば摘木さんに申し訳なくならないんじゃないですか?」
「それすごくいいですね。そうします」と鈴之介。
「鹿浜さんが来たら無人島じゃなくなってしまいます」

すると星砂はケーキのお皿を持ち上げ
「わたし無人島のこっち(イチゴケーキ)側で暮らすので鹿浜さんはこっち(マスカットケーキ)側で暮らせばいいんじゃないですか?」と言います。
「それいいですね、そうしましょう」
「大きいおさかな取れた時はおすそ分けしたり」
鈴之介も表情が和らぎます。

星砂の人格が統合されてしまえばいずれ目の前にいる星砂は見えない存在になってしまう。
でも誰もいないところで誰にも気付かれないところでいいから星砂にはいてほしい、
そしてそんな星砂の様子を遠くから見守ることが出来たら
無人島の端と端でたまに会う そんな子どもの夢のような話をケーキを食べながら話した時間は
鈴之介と星砂2人にとっての思い出の時間となり思い出の味になったらいいのにと思いました。

7580

悠日の兄:朝陽のスマホのパスワードは『7580』
朝陽は中学の頃から変わらずずっとパスワードは『7580』を使い続けていたと母親から.悠日は聞きました
『7580』は『七転び八起き』
朝陽は携帯を開くたびに『7580』『七転び八起き』と呪文のように唱えながら負けそうになりそうな自分を鼓舞していたのでしょう。

自分のことを人見知りで目つきも悪く人と仲良くすることが苦手だという朝陽は
弟・悠日のことを愛嬌があって誰とでもすぐ打ち解けて、みんなから愛されているし
家でも親は文句を言いながらも弟の話ばかりだったと話していました。
「できれば弟のようになりたかった」と話す朝陽の本当の姿は誰にも見せることができなかったのかもしれません。

優秀な刑事だと賞賛されていた朝陽でも
親の期待を背負うたび、弟の文句を聞くたびに”七転び八起き”と自分に言い聞かせていたのかと思うと
朝陽の生真面目さと孤独に寂しさを感じました。
誰もが光と闇を持っているのですね。

ちょっとコンビニ

自宅に帰った雪松は玄関で息子とすれ違います。
「お、おかえり」
「ただいま。出掛けるのか?」
「ちょっとコンビニ」
「いってらっしゃい」
「ありがとね」
「気をつけてな」

雪松を尾行していた悠日と琉夏は思わず署長の息子:弓弦の後をついていきます。
「どこに行くんだろうね」と言う琉夏に
「コンビニって言ってたじゃないですか」と答える悠日。
すると「君は何にもわかってないな。古今東西ちょっとコンビニ行ってくるちょっとタバコ買ってくるはコンビニにも行かないしタバコも買いに行かないの。
浮気か家出か自分の身を自分で…ね」と話す琉夏。
琉夏の言葉は確かに。と思うし悠日は本当に何も疑うことなく育ってきた人なのですね。

雪松署長と息子の会話はどこにでもある普通の親子の会話です。
どちらかといえば仲良すぎるくらいの関係に聞こえるここの言葉。
私たちは雪松親子にかかっているマーヤーのヴェールをはぎ取って、ひとつひとつ真実をみつめていかなければなりません。

僕たちはその理由を考えることを放棄してはいけない

森園は3人の殺害された少年らが同じアウトドアクラブに所属していたことに気付きました。
そして鈴之介もホテルの清掃スタッフの証言により朝陽を屋上から突き落として転落死させたのは
雪松署長に間違いないと言うのです。
しかし鈴之介は「なぜ雪松署長はアウトドアクラブの少年たちを
何年にもわたって殺害したんだろうか。いったいなにが動機なんだろうか…」と言葉に詰まります。

森園は断言します。
雪松は吉長君殺害後、淡野リサさんの犯行と偽装したことに気付いた
馬淵朝陽刑事を屋上から突き落として殺害したのだと。
この男はまともな人間ではない、人を殺すことに快楽を覚えるシリアルキラーで生まれついての猟奇的な人間だと。

しかし鈴之介は静かに反論します。
「生まれついて猟奇的な人間などいません。
例えいたとしても僕たちはその理由を考えることを放棄してはいけない。
人を殺して当たり前なんて人間はいないんです。
特別な存在じゃない。殺人犯はみな僕たちの隣人です。愚かな隣人です。理由を探すべきだ」

雪松が事件に関与していることは明らかなのですが、
なぜそうなったのか そうしなくてはならない理由はなんなのか という部分を見つめなくては本当の解決にはならないのだと思うのです。

あなたがいなくなるのが嫌なんだ

雪松を逃してはならないと森園は鈴之介の家を飛び出します。
星砂も雪松署長の写真を握り家を出ようとするのですが
鈴之介に「ダメです!」と必死に止められます。

「私はリサを助けたいだけなんです。真相なんかどうでもいいんです!」という星砂に
「そんなの僕だって同じです。真相なんてどうでもいい、
誰が殺して誰が死んでなんてどうでもいい、どうでもいい!
ただあなたを失うことが怖いんだ。
あなたがいなくなるのが嫌なんだ」と叫ぶ鈴之介。

あなたがいなくなったら困る
あなたがいないなんて私は嫌だ

大切な人を失いたくない鈴之介の必死な想いに胸を打たれる言葉です。

今度むき方を教えます。そしたらりんごのむき方、君が覚えたことになる

星砂に言ってしまった自分の正直な気持ちを処理できず不機嫌な様子でご飯を作る鈴之介。

”自分は告白の安全地帯にいて、相手にばかり告白という危険行為を行わせて
自分は危険の及ばないところで受け身になって成果を得ようとする”と子供じみた文句を言います。

星砂は”いつかいなくなるはずの自分”が ”体を借りてるだけの自分”が勝手に告白なんてできないと言い
その言葉を受けて少しだけ冷静さを取り戻した鈴之介。
おもむろにりんごを星砂に渡し「りんご、むけますか?」と言います。

「今度むき方を教えます。そしたらりんごのむき方君が覚えたことになる」
手渡されたりんごの匂いを嗅ぎながら元あったところにりんごを戻す星砂。

この時のりんごの匂いと教えてもらったりんごのむき方
この先りんごを食べる度にりんごを見る度にきっと星砂は思い出すことができるのでしょう。
大事なことは身体全部で覚える のだから
どちらの星砂でいてもきっと忘れることはないでしょう。

孤独だとか恵まれないとか恨みだとか心の闇だとかそんなものは誰だって持ってる

森園は直接雪松に会いに行きました。
自宅の2階に目をやりながら出勤する雪松。
昨夜出掛けたまま帰ってこない弓弦のことが気になっているのでしょうか。

森園は雪松に言います。
自分はごくごく普通で退屈な人間だと。
子どもには未来がある、その未来を奪う権利は誰にもない そんな当たり前のことを思う人間だと。
この人には大事な家族がいる、大事な友達がいる、その命を奪ってはいけない、
そんな当たり前な約束を守っている人間なんだと。
そして雪松に迫ります。

「だからと言ってね、犯罪者が特別な人間だと思ったら大間違いですよ。
孤独だとか恵まれないとか恨みだとか心の闇だとかそんなものは誰だって持ってる。
人を傷つけていい理由にはならない。人を殺していい理由にはならない。
人殺しは特別な人間じゃない。
かわいそうなのは自分だけだと思ってる愚か者だ。
自分のことを大好きでしょうがないバカ者だ。
人を傷つけたらダメなんだよ、バカ者!人を殺したらダメなんだよ、バカ者!!

森園の言葉を聞きながらうなだれていく雪松。
そして雪松は泣きながら言いました。
「申し訳ありませんでした。私が3人の子どもたちを殺害しました」

森園は自分が担当した事件の加害者とされたホームレスの男は事件に似合ってなかったと言いました。
19か所も刺した理由がわからないと言っていました。
人を19回刺せる人間ってどんな人間なのでしょうかと。
どれほどの憎しみがあれば刺せるのでしょうかと。
雪松が少年らに抱く憎しみとはなんなんでしょうか。
塩澤潤君を19回刺して殺害する理由を考えずに雪松はシリアルキラーという言葉に当てはめてしまっていいのでしょうか。

忘れようとして忘れた記憶は人を変えてしまう

「またやっちゃったんで、お願い」
弓弦からのメッセージを見て雪松は鹿浜鈴之介の家へ急ぎます。

鈴之介を見た雪松は「何人殺した?」と聞きます。弓弦の犯行だとわかっていながらも雪松は犯行は自分がやったと鈴之介に話します。
鈴之介は雪松に「あなたにはアリバイがあります。
あなたがしたことは殺人ではなく、息子さんによる殺人の隠蔽です!」
「あなたは父親としてこの8年間それを隠蔽し続けた。そのために無実の人たちに罪をかぶせ、あなたを尊敬していた部下の命さえも奪った!」と確信に迫ります。

その間も鳴りやまない弓弦からのメッセージ。
「お父さん、どうするの?」「早く来てよ」「どうすればいいの?」

雪松は初めに起きた事件のことを淡々と鈴之介に話します。
泣きながら「どうしよう」という弓弦に
”靴を脱がせ4人で川に捨てなさい、靴を探そうとして溺れたと言いなさい”と言ったと。
大事な息子を警察に突き出せる親がいるかと。

きっと雪松は弓弦に「忘れなさい」と言ったのでしょう。
ですが忘れようとして忘れた記憶は真実から遠ざかるだけでなく真実自体が歪められていて
自分にとって都合のいいように変えてしまった歪んだ事実はその人自身も歪めてしまうことになってしまうのです。

息子を変えてしまったのは父親である自分自身だと雪松は気づいているようにも思えるのです。

あんたの中にその子は生きてんじゃないの?

元に戻った星砂はいなくなってしまったもう一人の自分のことを気にしていました。
「彼女には彼女の世界とかがあったはずでしょ?」と星砂は小洗先生に素直な胸の内を話します。

「あんた、その子の事が好きなんだね。ずっとあんたの事守ってきてくれた子なんだもんね」
小洗先生の言葉に素直に「うん」とうなずく星砂。

「だったらもうあんたの中にその子は生きてんじゃないの?」
「お別れじゃないよ。逢えなくても離れてない人はいるもん」

小洗先生の言葉を聞いてまるで子猫が母猫に擦り寄るみたいにくっつきながらたい焼きを食べる星砂。
どんな表情の星砂もどんな態度の星砂も同じ人なんだなあと感じます。

これからはずっと一緒だよ

リサは無実であることが判明したため釈放となり、星砂はリサのところに向かいます。
星砂を見て駆け寄ってきたリサと頭を下げる星砂。
姿は同じでもどこか違和感があったのでしょう。
思わず「どちらさまでしょう?星砂は?」とリサは言います。

喫茶店に入ったリサは「あの子は今どこにいるんだろうって。何してるのかなぁって」と言い
「ひと月前までいてリサを助けたい、リサにもう一度会いたい、それだけを願ってたって」と星砂がもう一人の自分の思いを伝えます。

リサは星砂に近づき「目をつむってもらっていいかな。
聞いてないふりして二人っきりにしてもらってもいいかな」と言い、会いたかった星砂に話しかけます。

「ただいま、星砂。ありがとうね、待っててくれて」
「私もさ、あんたに会いたかったよ」といい星砂の頬に手を伸ばして言います。
「これからはずっと一緒だよ。また夜の散歩して帰ろうな、遠回りして帰ろうな」

目の前にいる星砂はリサと一緒に過ごした星砂ではないけれど
リサが星砂の中にいる”会いたかった星砂”を感じたのならいいな
星砂の中にいる星砂にもリサの想いが伝わったらいいなと思いました。

これからもあなたのことを想っています

星砂と悠日がいなくなり、また一人の生活に戻った鈴之介。
静かな夜、玄関の外には「風、気持ちいいですね。散歩しませんか?」と言う星砂がいました。

「たぶん今日で会えるのが最後かもしれません。
もうすぐいなくなると思うのでお別れというか言っておかなきゃと思って」と言い鈴之介の前に立つ星砂。

「鹿浜鈴之介さん。あなたの事、好きになりました」
星砂の言葉に思わず両手で顔を覆う鈴之介。
「あなたはとても素敵な人です」
「これからもあなたのことを想っています」
覆った手の指の間からこぼれる鈴之介の涙。

人を好きにならず、その気持ちも認められず
他人からのアプローチに素直になることも踏み込むこともできなかった鈴之介。
星砂に恋をし失恋も経験し、そしてもう一度星砂に抱いた感情。
守る・寄り添う・分かち合う
それは1人では感じることができない感情。

初恋の相手は目の前に存在しなくても、かすかに感じる甘いりんごの香りのように
心の中で記憶のどこかに感じるものなのです。
そして思い返したり、ふとした時に感じたりすることが確かにその人と過ごしたしるしになるのでしょう。

まとめ

初恋の悪魔の犯人(兄の事件)の考察・伏線一覧と名言
をまとめてみました。

[st-minihukidashi fontawesome=”fa-hand-o-right” fontsize=”90″ fontweight=”bold” bgcolor=”#212121″ color=”#ffffff” margin=”0 0 0 0″]わかりやすくまとめると[/st-minihukidashi]
  • 『初恋の悪魔』は日本テレビ系列土曜夜22時のドラマ。林遣都・仲野太賀・松岡茉優・柄本佑の訳アリ4人が織りなす群像劇
  • 停職中で猟奇殺人マニア・総務部のイエスマン・元県警で現生活安全課のスカジャン女・社会派なのに妄想気味な会計係。くせが強すぎる4人が捜査権もないのに推理を繰り広げる
  • 脚本は坂元裕二。何気ない会話のようでどこか引っかかる部分がある会話劇が魅力。
[st-kaiwa1]兄弟の関係って憧れやコンプレックスとか親の期待値とか様々やから一概にこうだとか言えへんなー[/st-kaiwa1]

 

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