坂元裕二さん脚本の『初恋の悪魔』本当に見ごたえのあるドラマでしたね。
『初恋の悪魔』のドラマスタート時は警察ものなのか謎解き考察系なのか、ラブストーリーなのかわからない
”小洒落てこじれたミステリアスコメディー”と称されていて
果たしてどんな作品なのか全く先の見えないドラマでした。
ですがストーリーが進むとともに個性的な4人の警察に属する若者たちの話す言葉に多くの名言があったり
一緒に過ごす時間とともに変化していく関係性など印象深いシーンがいくつもありました。
そんな『初恋の悪魔』にのめりこんだ方に改めて見てもらいたいなと思う作品が
同じ坂元裕二さんが脚本を担当された映画『花束みたいな恋をした』です。
菅田将暉さんと有村架純さん主演で大ヒットした映画ですが今ならネット配信でも楽しめますよね。
ここでは映画『花束みたいな恋をした』とドラマ『初恋の悪魔』のなかで共通する部分や描写について
調べたことや個人的な感想や解釈を含めてシェアしていきます。
『初恋の悪魔』と『花束みたいな恋をした』、ネット配信でもう一度見たくなっちゃいますね。
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映画『花束みたいな恋をした』は2021年1月に公開された映画です。
監督は土井裕泰、主演は菅田将暉、有村架純。
脚本家:坂元裕二さんのオリジナル脚本による恋愛映画です。
『花束みたいな恋をした』は映画公開後4週連続で動員数1位を記録し
累計動員数196万人・興行収益が26億円を超える大ヒット。
第45回日本アカデミー賞の優秀主演男優賞を菅田将暉さんが、最優秀主演女優賞を有村架純さんが受賞し
インスパイアソングとしてCMに起用されたAwesome City Club『勿忘』も大ヒットしました。
ネット配信サイト一覧
花束みたいな恋をしたの内容
物語の始まりは、2015年。
大学生の山音麦(やまねむぎ・演:菅田将暉)と八谷絹(はちやきぬ・演:有村架純)は
東京・京王線の明大前駅で、終電を逃して知り合った。
たまたま行った居酒屋で押井守を見つけ、店を出た後“好きな”音楽や映画、小説やお笑いライブで話が尽きなかった2人はあっという間に恋に落ちた。
大学卒業後はフリーターをしながら同棲スタート。
お気に入りのパン屋を見つけたり拾った猫を可愛がり
駅からの帰り道、コーヒーを片手にいろんなことを話し
いつでも一緒にいた20代の2人が
新しい仕事を見つけ日常が少しずつ変わっていく。
麦と絹の5年間の日常はまばゆいくらい煌めいて、何気ない言葉のひとつひとつに切ない心が存在していた。
初恋の悪魔ファンに見てほしい理由
『初恋の悪魔』は言ってしまえばミステリーの要素とラブストーリーが複雑に絡まったストーリーでした。
恋愛要素の部分でいえば「悠日と星砂」の話や「鈴之介が好きになった2人の星砂」や
「琉夏と渚」(ここはあまりややこしくないけれど)などがあるかと思います。
これらの物語はそれぞれの過ごしてきた環境や関連性などバックボーンが複雑に絡み合っているので
純粋に恋愛の部分だけを切り取ってどんなふうにお互いの気持ちが高まっていったのかは具体的に描かれてはいないように思います。
しかしながら直接的に「好き」だとか言わなくても
細かい描写のひとつひとつにお互いの気持ちや相手への感情が現れている『初恋の悪魔』と
『花束みたいな恋をした』のような共感性の高い作品の中で描かれていた描写には
どこか共通する部分があるように思うのです。
おすすめの坂元作品
最近の坂元裕二脚本作品の中で恋愛要素の強い作品について調べてみました。
最高の離婚(2013年
演:瑛太・尾野真千子・真木よう子・綾野剛
神経質で理屈っぽく細かい性格の濱崎光生は妻・結夏の明るく元気で大雑把な性格が理解できず口論が絶えない。
離婚届を提出し独身に戻った光生と偶然出会った元カノの上原灯里とその夫・諒との気になる夫婦関係。
過去の美化された思い出や男女の認識の違いなど
2組の30代夫婦の姿から「結婚・夫婦・離婚」とはというテーマをコメディタッチで描いた作品。
カルテット(2017年)
演:松たか子・満島ひかり・松田龍平・高橋一生
元プロの演奏家の巻真紀、路上演奏するチェリスト世吹すずめ、フリーターで借金取りに追われている家森論高。
なんだか訳アリで個性的な4人は弦楽四重奏のカルテット「ドーナツホール」を結成し
別府司の祖父が所有する軽井沢の別荘で冬の間共同生活をする。
夢が叶わなかった30代男女が織りなす恋と秘密と嘘。
全員片思いという感情の相関図はどうなっていくのか
脚本家・坂元裕二という名前が大きく世に知れ渡るきっかけになった作品。
大豆田とわ子と三人の元夫(2021年)
演:松たか子・岡田将生・角田晃広・松田龍平・市川実日子・オダギリジョー
3回結婚し3回離婚した大豆田とわ子は母の死でパソコンのパスワードがわからず元夫たちにしかたなく連絡を取る。
なぜか最初の夫・八作が経営するレストランに集まってしまう元夫たち。
互いにライバル心を持ちとわ子への未練を抱きながらも
それぞれ周囲の女性たちに振り回されてしまう愛すべきまめ夫たち。
とわ子と娘・唄の関係性や親友・かごめとの想い出、両親ととわ子という側面までも描きながらも
コミカルで魅力あふれるとわ子に惹かれる人々の愛を描いたロマンティックコメディー。
初恋の悪魔と花束みたいな恋をしたの共通点
『初恋の悪魔』の中には『花束みたいな恋をした』を感じる描写がいくつかありました。
個人的な主観や感想なのでご意見はいろいろあるかと思いますが
こういう見方もあるのかと感じてもらえたらと思います
靴
『花束みたいな恋をした』では麦と絹は同じメーカーのスニーカーを履いていました。
居酒屋で靴を脱いで麦が絹の靴と一緒に下駄箱に揃えて並べた時、麦は一緒だと気づいたのでしょう。
その後も2人はお気に入りのジャックパーセルを履きいろんなところへ出かけ共に歩んできました。
海へデートに行った時も絹はそのスニーカーを写真に撮っていました。
麦と絹が一緒に暮らし始めた時も2人のスニーカーが玄関に仲良く揃って並んでいました。
月日が経って麦は就職し毎日スーツと革靴で過ごし、絹も普段はスニーカーではなくなりました。
麦の休みの日に2人で出かける約束をしていたものの麦に出張の予定が入ったことで2人は言い争いになってしまいます。
『初恋の悪魔』の中でも星砂が悠日の部屋に入ったあと玄関にある2人の靴が写るシーンがありました。
初めて悠日の家にきた星砂はとまどいながら「ただいま」を言いポケットから缶ビールを悠日に手渡します。
きちんと向きを変えて玄関に置かれた悠日の靴とは対照的に
星砂はスニーカーのかかと踏んで歩いたそのまま脱いで上がり込みます。
翌日の星砂のスニーカーはやはりかかとは踏まれ上がり込んだ方向のままですが
少し昨日より玄関の上り口に近づき悠日の靴のすぐ横にあります。
数日後星砂は悠日に兄のスマホを返しに行き部屋を出ようとします。
悠日は「ここにいたのはカギがないっていう理由だけですか?僕は違います。一緒にいたのは一緒にいたかったからです」と星砂に言いますが
星砂は悠日の兄の死に自分が関与しているかもしれない、もう一人の自分がしたことがわからないと話し
「近づきすぎちゃいけなかったんだ」と言い部屋を出ようとしますが、玄関にあった自分の靴を見つめます。
玄関にあった星砂の靴はかかとこそ踏まれたままですが悠日の靴の横にあり同じように向きを変えてありました。
“これでいいんだ。こうするべきなんだ”
自分の靴をみて帰ろうとする星砂を引き寄せ悠日は
「僕があなたを知っています。大丈夫、いなくなりません」と抱きしめます。
悠日とは距離を置かなくてはいけない、悠日の気持ちがわかるからこそ話した星砂の言葉とは裏腹に
悠日の家で過ごす心地よさと本当の星砂の気持ちの変化が
靴の向きや靴がある場所からわかるような気がします。
こういう部分の細やかな描写から感じる余白が好きです。
後ろ向きのバイバイ
『花束みたいな恋をした』は2020年のとあるカフェから始まります。
フマホにイヤホンを付け片耳ずつつけて聞いている2人を見て「あのこたち音楽好きじゃないね」と言う麦。
「同じ曲聴いてるつもりだけど違うの。彼女と彼は今違う音楽を聴いているの」という絹。
麦と絹はそれぞれ自分の相手に語った後「教えてあげようかな」と言いながら席を立ちますが
互いの存在に気付き元の席に戻ります。
革靴を履き少し伸びた髪を整えた麦の横を新しい彼と一緒に店を出る絹。
お互いに新しい相手と腕を組みエスカレーターを降りた後、別々の方向へ歩き出します。
絹は笑顔で会話を続けながら振り返ることもなく後ろ向きで手を振ります。
麦も同じように右手を振ります。振り返ることもなく歩みも止めずに。
『初恋の悪魔』では別人格の星砂が鈴之介に最後の話をするために夜の公園をふたりで散歩します。
鈴之介に「あなたに会えてよかったです。あなたのこと好きになりました」と自分の言葉で思いを伝えた星砂。
最後の2人の時間を笑い転げながら自分の好きなものを言いながら過ごし、そして別れの時間が訪れます。
「元気でいてくださいね」という星砂に
「はい、努力します。あなたも元気で」と返す鈴之介。
同じように「はい、努力します」とはっきり言う星砂の背中に「ありがとう!」と鈴之介は再び声をかけます。
立ち止まった星砂の背中に鈴之介はもう一度「ありがとう」と言い「僕はもう大丈夫です」と言います。
すると星砂は右手をまっすぐに上げて前を向いたまま大きく手をふった後走り去ります。
鈴之介にはきっと星砂のにこやかな笑顔がみえたことでしょう。
星砂はきっと満足げな顔で少しだけ恋を知った鈴之介の優しい笑顔を感じたと思います。
後ろ向きのバイバイはきっと自分との決別。区切り。
どの場面でもお互いの顔は泣き顔ではないはず。
そんな気がした2つの物語の好きなシーンです
ストリートビューと防犯カメラ
大学生の麦はストリートビューで近所を検索していてたまたま映り込んだ自分を発見して大喜びして
大学の友達に教えて自慢していました。
2020年、たまたますれ違った麦と絹はそれぞれ自宅に帰ったあと、想い出に浸ります。
麦はふたりでよく行ったパン屋のことを思い出し検索していたら川沿いを手をつないで歩く絹と麦が映り込んでいました。
トイレットぺーパーを抱えた麦と花束を持った絹。
今このふたりが同じように過ごすことはないけれど、このストリートビューが証明してくれるように
確かにあの頃の2人はそこに存在していました。
缶ビール片手にトイレットペーパーを持って歩いた夜や
冬のガスタンクの前や押しボタン式信号の横断歩道の前
老夫婦がやっているパン屋のパンをから窓に張り付いて眺めたりしているところ
これって日常だからストリートビューなだけで
このことがもしも犯罪に関わることだったら同じように
防犯カメラに写っていたりするのかと感じました。
警察の捜査はほとんど防犯カメラになってしまっていると嘆く鈴之介ですが、
あちこちにある日常の後ろに潜む非日常。
まさに表裏一体の関係であり
形は違えどその場所に確かに存在した証拠のようなものと言えるのかなと思いました。
カーテン
『初恋の悪魔』で悠日の部屋で星砂が一緒に暮らし始めた時、星砂は「カーテン買いに行こう」と言いました。
悠日の部屋にはすでにカーテンはあったけれど一緒に住むなら2人で色や素材を決めたかったのでしょうか。
『花束みたいな恋をした』の中でも麦と絹が暮らす部屋の準備で「せーの」と言いながらカーテンを2人で広げるシーンがありました。
麦と絹が2人でこの部屋で行った最初の共同作業がカーテンを広げることだと考えると
カーテンって一緒に生活をする中でとても重要なアイテムなんだなと思いました。
そして映画の最後で二人が別れて部屋を引っ越す時にも2人は「せーの」でカーテンを畳みました。
あの部屋での最初の共同作業も最後の共同作業もカーテンでした。
『初恋の悪魔』の中で星砂が「ついでに東京でカーテン買うか」と言ったのは
星砂の中で新しいカーテンにすることが2人の生活のはじまりだったのかとも思えます。
そして仲良くカーテンを付け替えている途中で星砂の別人格が現れてしまったのは
もう一人の星砂が「違うよ、ここにいちゃだめだ。リサを助けなきゃ、自分の力でリサを守るんだよ」と抵抗したのではないかと思うのです。
まとめ
花束みたいな恋をしたネット配信は?
初恋の悪魔ファンはラスト通じるものがあるから見てみて!について
調べたことをまとめてみました。
- 「花束みたいな恋をした』と『初恋の悪魔』の脚本はどちらも坂元裕二さん。見逃し配信などで両方の作品を是非見比べてほしい
- 『花束みたいな~』で描かれた気持ちの高まりやふとした行動の中に感じる恋愛観は『初恋の悪魔』でも表れている
- 二つの作品に共通する「靴」「カーテン」「後ろ向きのバイバイ」などそれらが意味するところが深い
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