経済失政でトラス首相が、最短で辞任したイギリスの危機に、過去200年余りで最年少で、ヒンズー教徒で、初の非白人・アジア系として首相に就任したリシ・スナク氏が取り組みます。
スナク首相は金持ちすぎるといわれるのはなぜなんでしょう？
どんな人なのか、国民はどう見ているのかを分かりやすくまとめてみました
スナク首相金持ちすぎるのはなぜ？
スナク首相が、7億3000万ポンド（約1200億円）の財産を持ち、金持ちすぎるといわれるのはなぜでしょう？
スナク氏が英首相初の超富裕層であるのは、ソフトウエアサービス輸出大手インフォシスを創業したインドの大富豪N. R. ナラヤナ・ムルティの娘であるアクシャタ・ムルティ夫人（42）の存在が大きいのです。彼女はインド生まれで、インド国籍を依然保有しています。彼女の資産は、インフォシスの保有株が大きく寄与し、純資産は約10億ドル（約1480億円）に上り、故エリザベス女王の約４億ドルを上回ります。
また、高級家具市場から超名門私立校イートン校の学生服販売店まで、さまざまな投資を手がけています。
今年４月にはマーティー夫人が英国で税制上の「非居住者」資格を持ち、国外の所得について英国での納税を免れていることが暴露され問題となり、スナク氏の支持が下がりました。
スナク首相ってどんな人？
非白人初の英首相誕生へ 金融出身スナク氏、庶民感覚欠くと批判もhttps://t.co/7MzETLxJEm
— AFPBB News (@afpbbcom) October 24, 2022
リシ・スナク氏は、1960年代に東アフリカから英国に移住したインド系の両親のもと、イギリスのサウサンプトンで1980年5月12日に生まれました。
名門ウィンチェスター・カレッジなどの私立校を経て、オックスフォード大学で政治、哲学、経済学を学びました。その後フルブライト奨学生としてカリフォルニアのスタンフォード大学でMBAを取得しました。
スタンフォード大学在学中に、後に妻となるアクシャタ・ムルティ（インフォシスを創業したインドの大富豪N. R. ナラヤナ・ムルティの娘）と出会ったのです。
卒業後は、米金融大手ゴールドマン・サックスやヘッジファンドに勤務し、その後、投資会社を共同設立しました。
2009年、アクシャタ・ムルティと結婚しました。二人の間にはクリシュナとアヌーシュカという二人の娘がいます。
2015年の総選挙で、ノースヨークシャー州リッチモンドの下院議員として政界入りし、2018年地方政府担当国務次官（テリーザ・メイ首相）、さらに財務省の首席秘書官（ボリス・ジョンソン首相）、2020年2月財務大臣と政治家としての階段を駆け上がってゆきました。
当時、毎日の政府記者会見に登場することから、「ディッシュ・リシ」というニックネームがついたこともあります。
2022年7月5日、政府を「正しく、有能に、真剣に行う必要がある」と述べ、財務大臣を辞め、ボリス・ジョンソン首相辞任の引き金を引きました。
2022年7月8日、ジョンソン辞任後の後任を決める保守党党首選挙でリズ・トラスにやぶれたものの、経済失政で、トラス首相が首相在任期間50日という史上最短で、辞任したため、党首に立候補し、他の候補者が辞退したことにより、後継党首、首相となりました。
スナック氏は、2016年の国民投票で離脱派に投票し、強固なブレグジット派とみなされており、議会でほぼ常にブレグジット推進派の政策を支持してきました。
スナック氏の身長は1.7メートル、つまり5フィート5インチで、ボリス・ジョンソン首相の1.75m（5フィート7インチ）よりわずかに低い。
スナク氏は「庶民派」をアピールしようと、10代の頃に実家の薬局を手伝っていたエピソードをしばしば語っていますが、一方で、売店でカード払いの方法が分からないようなそぶりを見せたり、ガソリンスタンドで自分のではない車にガソリンを入れている様子を写真に撮られたり、高級ブランドであるプラダの靴を履いて建設現場を視察したりといった失態も演じてきました。
スナク新首相への海外の反応
まとめ
わかりやすくまとめると
- スナク新首相金持ちすぎるのはインドの大富豪の娘である夫人の存在が大きい
- スナク氏は「庶民派」をアピールしようするが、恵まれた環境で育ったことがしばしばあらわになってボロがでる
- スナク氏が超富裕層であることへの反発の声が大きい
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