プロ野球(NPB)で、今年12月9日、「現役ドラフト」という新制度が始まります。ドラフトといえば毎年10月に行われる、高校生や大学生などの優れた新人選手を12球団が選び合う会議を思い起こしますが、この「現役ドラフト」とは?
仕組みや生まれた経緯、そのメリットやデメリットは?期待の一方で「こんなのいらないよ」という声も聞こえる現役ドラフトをわかりやすく解説しました。(出典:Wikipedia、スポーツメディア)
[st-kaiwa1]うーーむ。会社でいえば、社長や人事部長なんかが集まって話し合う「人事異動会議」みたいなもんかなぁ?(そんなのあるのか知らんけどw)[/st-kaiwa1]現役ドラフトが初実施!いらないの声も!?
佐々木朗希の完全試合、ノーノーラッシュ、村上宗隆の56号&三冠王……色々と話題豊富だった今年のNPB。オフシーズンもある新しい制度の導入が関係者に注目されています。「現役ドラフト」です。
今月20日に開催される「新人選手選択会議(ドラフト会議)」とはまったく違う、新制度「現役ドラフト」。一体どんな内容なのか、メリット・デメリットや「いる?いらない?」の議論も探ってみましょう。
[st-kaiwa1]後述のようにMLBで先行制度あり。MLBでは2つを区別するため新人ドラフトは「アマチュア/ファーストイヤー/ルール4」ドラフトとも呼ばれるんだって[/st-kaiwa1]#日本プロ野球選手会 と、 #日本野球機構 の事務折衝が行われ、出場機会の少ない選手の移籍の活性化を目指す「 #現役ドラフト 」を12月9日に開催することが決まりました⚾
各球団は #保留者名簿 の中から #FA権取得 選手や #育成選手 を除いた2人以上の選手のリストを提出し、1人以上を獲得します。 pic.twitter.com/tTDpdA9Pr8
— スポーツ報知 大阪販売局 (@hochi_osaka) October 8, 2022
現役ドラフトとは?
12月に第一回が行われるNPB現役ドラフト。そもそもはMLBの「ルール5ドラフト」という制度を参考に、プロ野球選手会が18年頃日本での導入を提案したのが議論のきっかけです。
MLBのルール5ドラフトとは、有望選手がチーム事情から十分な活躍の場を与えられず、マイナーリーグで半ば「飼い殺し状態」になってしまうことを防ぐため、他チームに移ってメジャーの試合に出られるようにする制度。
[st-kaiwa2 r]MLB規約5条に則ってるから「ルール5」。新人の方は4条に記載されてるんだって[/st-kaiwa2]NPBでもかねてから、実力ある中堅選手がなかなか1軍に上がれず燻っている問題が指摘され、「移籍を活性化させて出場機会を与えてほしい」という選手からの要望が出ていました。
4年近いNPB・選手会の協議の結果このほど「現役ドラフト」(別名ブレークスルードラフト)の初導入が決定。12月9日に今年の会議が行われることになりました。概要はの通りです。
【指名対象選手】
・NPB12球団は、来季の保留者名簿提出後、その中から現役ドラフト対象となる2人以上の選手をリストアップ。
・条件は①支配下のみ(=育成選手は対象外)、②FA権を保有せず、かつ行使したことがない、③年俸5,000万円以下―の選手。
【指名方式】
・各球団が指名したい選手1名に投票を行い、最も多くの票を獲得した球団が1番目の指名権を獲得する。
・最多得票の球団が複数となった場合、ウエーバー順で指名する。12球団が各1人を指名した時点で終了。
現役ドラフトの指名順は
1番目→各球団から最も得票を集めた選手の所属球団
2番目以降→自分とこの選手を獲得された球団つまりそれなりの選手をリストに入れないと有利にならん仕組みなのだ https://t.co/LBDUkjUd6C
— TAKA (@tCDa2i6) October 4, 2022
現役ドラフトのメリットデメリット
主に中堅プレーヤーで、そのチームでは1軍出場があまりない控えなどの有望選手について「活躍できそうな他球団に移籍させよう」というのが目的の現役ドラフト。では具体的なメリットや、逆に「こんなのいらないよ」というデメリット面も考えてみました。
メリット
◆有望選手が確実に移籍できる
新制度は前述のようにいわば「一番人気の選手」を提示した球団から優先的に指名する仕組み。つまり、力ある選手を獲得したければ、自分のチームからも相当な有望選手を提出しないといけないわけで、「出し惜しみ」「ガレッジセール」のような事態は避けられます。
また各球団最低限1人指名するため、確実に12球団間で移籍が行われます。各球団の戦力均衡にも少し寄与しそうです。
◆新たな活躍の場に
MLBの「ルール5」では、マイナー選手が一気にメジャーの大スターへと駆け上がった例がいくつもあります。クレメンテ(パイレーツ)、ウィルソン(カブス)といった後の殿堂入り選手もそこから誕生。日本でも能力を秘めた選手の新天地での成功が期待されます。
◆適切な時期
この制度、当初は8月実施案もありましたが、一部から「戦力外通告予定者を前倒しで出すだけでは?」「秋が戦いの佳境なのに『スパイ』を送り込むのか」との批判が。
開幕が迫るほどより即戦力を補強でき有益な制度になるため、それに近い12月という時期に設定された点は評価されています。
デメリット
◆非公開と選手の「人権問題」
現役ドラフトは新人会議と異なりメディア非公開。対象選手本人にそのことを事前・事後に通達するかは、各球団が任意で決めます。選手にとって「新天地」と言えば聞こえはいいものの、ある意味「うちには不要」とも受け止められる制度。移籍が実現しなかった対象選手には、事実の伝え方によってショックを与えかねません。
逆に「一切秘密のまま」にするなら徹底した秘密保持が不可欠。選手への対応について各球団の姿勢が問われます。
[st-kaiwa2]メジャーみたく決まれば基本的に拒否できない、トレードのようなものだもんね[/st-kaiwa2]➡カープの現役ドラフト候補は誰?安部友裕らベテランを予想する声も-https://t.co/M5X8xRI7G1
※鈴木本部長「指名対象のリストの選手は、もちろん部外秘。出場機会を与えて欲しいという選手会の要望で対応してきた。戦力外の選手を選ぶわけではなく、契約した選手。それ相応の選手を選んでいく」
— かーぷぶーん⊂( ●▲●)⊃ (@carp_buun) October 8, 2022
◆球団が恣意的に選ぶ問題
よく考えてみれば、通常のシーズン中でも各球団はお互いの戦力補強を水面下で交渉してトレードを行っています。いわば「2球団間の現役ドラフト」であり、関係者からは「(新制度は)意味あるのかないのか。てか、別にいらないんじゃない?」との率直な声も。
有識者の中には「一定基準に達すれば自動的にリストに載る形じゃないと」との指摘もあります。ちなみにMLBの制度は以下のような主な基準で運営されています。
・メジャーのロースター(40人枠)外で、18歳以下入団で在籍5年以上、19歳以上入団で在籍4年以上の選手から指名。
・獲得した球団は翌年の全シーズンでメジャーベンチ入りさせねばならない(ケガなど以外でベンチ入りさせないと元の球団に返す義務)。
・旧所属球団に10万ドルを支払う。
この点、NPBの新制度は球団側に選択権があり、制約も少ないためある意味「恣意的」。選手会も「どういう選手がリストアップされるかが大事」と話しており、まずはリストの中身や成立した移籍の顔ぶれが注目されます。
このように色々とメリット・デメリットが考えられる現役ドラフトですが、NPB・選手会とも今後も問題点は改善していくとしており、まずは手探りのスタートとなりそうです。
[st-kaiwa1 r]現役ドラフトの類似制度は過去、70年代や90年代にも試行されたけど定着せず。でも改革のトライアルは大事なこと。「走りながら」よりよく育ててほしいね![/st-kaiwa1]現役ドラフトに関するSNSの反応は?
[st-kaiwa6]普通のドラフトだってマイナーチェンジしながら洗練されてきたんだから、現役ドラフトも同様に年々良くしていけば良い。最初から完璧な制度なんか無理がある[/st-kaiwa6]引用:https://twitter.com/neochi_shien/status/1578518082137427968
[st-kaiwa3]今年の戦力外って現役ドラフトの弾にもならないって言われてるようなもんだからショックデカそう[/st-kaiwa3]引用:https://twitter.com/Tigers32TSUBOI/status/1577134723087757314
[st-kaiwa5]隣のカップルが現役ドラフトの話を始めた。彼女「日ハムは最下位だからヤクルトの村上指名できるの?」彼氏「そうなんじゃない?」めっちゃ笑いそうになった[/st-kaiwa5]引用:https://twitter.com/M_MartinDrake/status/1575020921697742849
まとめ
fontweight=”bold” bgcolor=”#212121″ color=”#ffffff” margin=”0 0 0
0″]要約しますと[/st-minihukidashi]
- 12月9日、NPB現役ドラフト初開催。中堅選手の出場機会拡大狙い他球団が獲得
- 対象はFA権ない支配下選手。12球団提出の全24人超を各球団が人気上位順に指名
- MLB制度に倣う。選手への伝え方、球団の恣意性など課題も。まずはリスト注目