ウクライナ戦での、劣勢が伝えられる中、ロシアのプーチン大統領は、しばしば核兵器の使用を示唆しています。
ポセイドン魚雷を使って500mの津波を発生させるとの情報もありますが、単なる脅し、嘘なのでしょうか?日本への影響を含め、専門家の意見をまとめました。
ポセイドン魚雷で500m津波は嘘では?
核を搭載したポセイドン魚雷で500m津波をというのは嘘なのでしょうか?
ポセイドン魚雷とは
ポセイドンは2015年に米国防省の発表によって明るみになり、2019年にロシアのプーチン大統領が開発を認めた核弾頭を搭載できる新型原子力魚雷。その大きさは全長20メートル、直径は1.8メートル以上、その重量は100トンという魚雷としては最大の大きさで、これを搭載できるのは、特別な潜水艦で、その1つは、原子力潜水艦「ベルゴロド」である。
最大500mの高さの津波を発生させるように設計されており、またコバルト60で敵の海岸の広範囲を放射能で汚染し、標的となった海岸の大部分は数十年間は居住不能になるといわれます。また敵のミサイル防衛システムの影響を受けません。
最近の情報では、射程10,000km、最高速度56ノット(100km/h)、最大深度1000mであるとしています。この水中ドローンは、音響追跡デバイスを回避するステルス技術によって覆い隠されています。
原子炉を搭載しているため、動力はほぼ無限といえます。例えば、ロシアで魚雷を放ち、遠隔操作で大西洋を横断してアメリカ大陸を攻撃することも可能となります。
2020年11月に当時のアメリカ国務次官補が「ポセイドン」について、「米沿岸部の都市に放射能の津波を押し寄せさせる狙いで設計された」と語ったと報じました(CNN)。
【終末兵器】海外メディアが注目、ロシアが開発中とされる「ポセイドン」の驚異https://t.co/CohaoUGEWr
海中で爆発すると放射性物質を含む高さ500mもの津波を発生させ、沿岸部の都市に襲いかかるとされる。標的となった海岸の大部分は数十年間は居住不能になるとも言われている。 pic.twitter.com/iOScQwuCPE
— ライブドアニュース (@livedoornews) October 11, 2022
最近の動き
2022年4月英ジョンソン首相のウクライナ訪問時に、ロシア国営テレビが「ポセイドンは最大100メガトンの核弾頭を搭載」「イギリスの海岸近くでこの魚雷が爆発すれば最大500mの高さの津波がイギリスをのみ込み放射能の砂漠と化すだろう」と警告。
7月 「ポセイドン」はロシア海軍に引き渡された(米FOXニュース)。
10月2日「ポセイドン」を積んだ原子力潜水艦が北極圏の基地を出港し、核実験を行う可能性があると報じました(イタリアの一般紙「ラ・レプブリカ」)。
ポセイドン使用ならいつ・どこの可能性?
2027年頃に実践配備の予定だったと言いますので、現段階で直ちに行動することは考えにくいのですが、威嚇のために、実験を行う可能性があります。
これまでの、警告や情報では、沿岸部の都市をねらっているとされており、
イギリスの海岸近く
ニューヨーク(平坦な地形の場合、押し寄せた津波が内陸最大500kmの地点まで到達し(ロシア・科学情報誌)によると、首都であるワシントンD.Cやさらにその先まで押し寄せる)などが挙がっています。
ウクライナ沖でも、ロシアを含めたヨーロッパ全体が大きな被害を受けます。
しかし、これでは、全面核戦争となり、ロシアを含め世界が滅亡するでしょう。
現時点では、万一核を使うにしても、地域を限定した戦術核を用いる可能性が高く、完成度がどの程度かわからず、広範囲に被害が及び、全面核戦争を引き起こしかねないポセイドン魚雷を使用する可能性はかなり優先順位が低いと思われます。
防衛手段がないという意味で、相手側を脅すという効果はあると思いますので、噂を流す、核を使わずに、実験を行うなどの可能性は否定できません。
[st-kaiwa2 r]恐ろしいことを考える! [/st-kaiwa2]ポセイドン使用なら日本への影響は?
ロシアが一度使用し、核戦争に突入すれば、当然日本も無傷ではいられず、大きな被害を受けることが想定されます。
直接の被害だけでなく、食糧肥料などほとんど輸入ができなくなるという事態も出てくる可能性があります。
さらに、東京湾でポセイドンが爆発したならば、海上自衛隊の主要基地のみならず米国の空母の母港である横須賀が壊滅的な被害を受け、放射能の影響により、首都機能は壊滅します。
識者の考察まとめ
戦略情報専門家 レベカ・コフラー氏
ポセイドンについて、実用化は2027年までかかると考えられるが、プーチン氏はNATOを脅かす手段として試験する可能性があると話した(FOXニュース)。
ウクライナの国際政治学者 アンドリー・グレンコ氏
・・・完成していない、実験もしていない…ならば、実用性がありませんので、ロシアのプロパガンダの可能性はあるかと思います。また、ウクライナが面する海は黒海のみですので、ウクライナだけに狙いを定めて攻撃できません。使用すれば隣国のルーマニアなどNATOが加盟している他国も被害を受けます。NATOと戦えばロシアは負けますので使わないと思います。
筑波大学名誉教授 中村逸郎氏
「ポセイドン」、もしこれを発射した場合どうなるかというと、最大500mの『津波』を起こすんですね。しかもロシアがウクライナ国境周辺、考えられるのは黒海でやるんじゃないかと。核実験と出ていますけども、果たして実験なのか実践なのか、そして、原子力潜水艦が何機もあって、私達が怖いのは、この潜水艦は迎撃できないんですよ。ですから防ぎようがない。
大西洋で発射した時に、アメリカへ最大500mの津波が行くことも警戒されてんですよ。そうすると、アメリカが水没してしまうんじゃないかと、最悪のシナリオを欧米のメディア、特にイタリアで積極的に危険性を流しているんですね」
サンタフェ総研上席研究員 末次富美雄氏
(2021/3/10)カムチャッカ半島のペトロパブロフスクはロシア海軍戦略原潜の母港である。同港にポセイドンを搭載する原子力潜水艦が配備される可能性が極めて高い。同魚雷の主目標は米国と推定されるが、日本に対して使用される可能性もゼロではない。もし東京湾でポセイドンが爆発したならば、海上自衛隊の主要基地のみならず米国が唯一前方展開している空母の母港である横須賀が壊滅的な被害を受ける。さらには、放射能の影響により、首都機能は壊滅し、その復興まで多大な時間を要するであろう。
軍事ジャーナリスト 井上和彦氏
通常のミサイルでは迎撃は困難で、「ポセイドン」は現状まだ実験段階にあるものの、本格的な実験を行うだけで大惨事になりかねない。アメリカは「ポセイドン」に匹敵する兵器を持っていないので、脅威となる。
軍事専門家 H I サットン氏
ポセイドンは、大陸間を原子力で進む自律型原子力魚雷で、他国に類をみない新型兵器。
ポセイドンの全長は20メートルを超え、事実上、距離の制約なしに核攻撃を加えることが可能な巨大水中ドローンと考えられる。水深1,000メートルを速力200km/hで進むことが可能とみられており、大陸間弾道ミサイルに比べると非常に遅く、攻撃目標は海上、またはニューヨークやロサンゼルスなどの沿岸に制限されるが、既存の兵器では止めることが不可能だとしている。
まとめ
- ポセイドン魚雷で500m津波はロシアメディアの警告として出ているが、事実かどうかは疑問
- 万一ポセイドン魚雷が発射され、NATOが反撃した場合、世界核戦争となり、当然日本も大きな被害を受ける
- プーチンは、脅し目的で、実践でなく実験としてポセイドン魚雷を使用する可能性はある
https://umifesta-kyoto.com/nordstream-destruction-offender/
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