福島「処理水」放出への中国民の本当の声は?―中国版の知恵袋「知乎」で見たー

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福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出を受け、中国は、加工品を含めた日本産の水産物の輸入、加工、調理などを全面禁止とした。
これに伴い、中国国内での反日運動が懸念されている。実際、日本の企業や団体に、中国から嫌がらせの電話が殺到している。

では、中国民のほとんどが、何の疑問もなく、福島「処理水」放出についての中国政府の発表を信じて踊らされているのだろうか?
特に読売新聞が報じた「中国の複数原発がトリチウム放出、福島「処理水」の最大6・5倍」について、どう中国政府や、政府系の専門家が反論しているか?これに中国版の知恵袋「知乎」では、どんなコメントが寄せられ、議論されているかを探りました。

[st-kaiwa1]中国政府の統制が厳しいからな! [/st-kaiwa1]

福島第1原発の処理水放出への中国の反発

福島第1原発の処理水放出への中国の反発を見てゆきます。

日本政府の決定に従い、東京電力は、24日午後1時から放射性物質トリチウムを含む処理水の海への放出を開始しました。

日本政府は、処理水はほとんどの放射性物質が取り除かれ、大幅に希釈されるため、海に放出しても安全だと主張しており、国際原子力機関(IAEA)の保障も得ています。

科学者も、水に残留している放射性物質は、大量に接種しなければ人体に影響はないと説明。希釈した処理水には科学的に検知できるリスクはないとしている。

しかし、中国政府は、これに反発し、「福島の『核汚染水』が食品の安全に対してもたらす放射性物質による汚染のリスクを全面的に防いで中国の消費者の健康を守り、輸入食品の安全を確保する」として日本を原産地とする水産物の輸入を24日から全面的に停止すると明らかにしました。


予想以上の反発に、日本の専門家からは不動産などの経済低迷での人民の不満をそらそうとしているのではとの見方も出ています。

中国の原発の海洋への放射性物質トリチウム放出

2023/06/23付け読売新聞が報じているが、中国の複数原発のトリチウム放出量は、今回の福島「処理水」の最大6・5倍に相当します。

中国核能年鑑および事業者の報告書より経済産業省が作成した資料によれば、
福島第1原発の年間放出量  22兆Bq以下に対し、
中国
紅沿河原発  約90兆Bq (2021年)
泰山第三原発  約143兆Bq (2020年)
寧徳原発   約102兆Bq (2021年)
陽江原発   約112兆Bq (2021年)
であり、年間放出量で、泰山第三原発は、約143兆Bqと福島第1原発の6.5倍であり、陽江原発が5.1倍、寧徳原発が4.6倍、紅沿河原発が4.1倍となっており、全部合わせると20.3倍にもなります。

これに対し、中国が外務省の報道官は、
「福島第1原発では最高レベルの原発事故が発生した。そこから生じた汚染水は正常な稼働時の原発の汚染水とは全く別物だ。そうでなければ、日本もこれまで汚染水をタンクに厳密に密封しておく必要はなかった。両者を一緒くたにして論じることはできない。」と反論していますが、科学的な説明はありません。

では、この見解を、中国人民のほとんどが、何の疑問もなく、信じているのでしょうか?
中国版ツイッター微博(ウェイボー)では、政府の統制も厳しく、専門家が投稿することも少ないので、ネットユーザーの本当の声が聴けません。

今回比較的専門家や知識人が議論を交わす中国版の知恵袋「知乎」で、本当の声を拾ってみました。

[st-kaiwa1]中国政府の統制が厳しいからな! [/st-kaiwa1]

中国版の知恵袋「知乎」とは?

中国人が利用している日本の「知恵袋」のようなサイトが「知乎」Zhī Hūです。
ユーザーコミュニティで作成、編集、運営を行う 中国 Q&Aサイト です。

知乎は質問に対してその道の専門家や経験者が詳細をしっかりと長文や画像付きで回答してくれることがとても多くなっています。
これは知乎のシステム上の理由があり、知乎には回答者におひねりとしてお金をプレゼントできる機能があり、回答者は自身のアカウントフォロワーを増やすことで収益を得る機会が増えるからです。

例えば、プーチンが机につかまった写真を挙げて以下のような記事が載ったことがあります。
Q.プーチンの究極の運命は何でしょうか?
A.これは操作的な人ではありません。これは、すべてを失いかけている男のジェスチャーです。彼はかつて肩をすくめ、頭を高く掲げていました。・・・プーチンの行動は国家の誇りや国家の安全とは何の関係もありません。プーチンの行動はお金のためです。 プーチンの力は、彼をサポートする代わりに彼のギャングの同盟国から来ています。しかし問題は、ギャングは安定した資金の流れを必要としているということです。 サメのように、彼らは絶えず泳いでいて、絶えずより多くのお金を探しています。 権力を維持するために、プーチンは彼らをますます多くのお金で満たし続けなければなりません。・・・プーチンはますます多くのお金を提供し続けなければなりません。 プーチンは実際に世界最大の投資詐欺を実行しています。 腐敗したソビエト政権は腐敗した犯罪組織に取って代わられました。法の支配は崩壊し、ロシア国家が享受している安定は、残りの富を盗むために集まった組織犯罪集団のグループによるものです。 しかし、ロシア人とロシア経済には何も残っていません。投資詐欺には新しい犠牲者の安定した流れが必要です。 ウクライナ人はプーチンの投資詐欺の新たな犠牲者です。世界がサメの新しい食料源を拒否する行動をとる今、サメは互いに殺し合うでしょう。 サメと一緒に泳ぐことの危険性は、他のサメでさえ、すべてが食料源であるということです。 プーチンはサメの餌になりそうです。(https://www.zhihu.com/question/523063438/answer/2464641541)

中国政府の公式意見とはかなり違った内容となっており、本音が聞けます。
[st-kaiwa3 r] 微博よりまともな知識人が多いと思うよ [/st-kaiwa3]

「知乎」中国民の反応

[st-kaiwa3] 日本のメディアによれば、中国の原発の排出量は福島のそれをはるかに上回り、後者の6.5倍だという。これは本当か? [/st-kaiwa3] 引用:https://www.zhihu.com/question/523063438/answer/2464641541
[st-kaiwa4] 読売新聞が述べたことは、一見よく書かれているように見えるが、実は嘘である。 要するに、日本の福島原発の核漏れの冷却水は、通常の原発の冷却水とは比較できない。 福島原発の核漏れ冷却水は、原発の炉心にある核燃料棒が放出する輻射熱の冷却に関与しているため、核エネルギーにさらされた最初の冷却水系一式であり、トリチウム濃度が高く、放射性重元素を含む可能性さえある、核放射線を直接体験した水とも言える。

原子力発電所の通常の運転では、この水は放出されることはなく、第一の水冷設備の核エネルギー放出領域に閉じられ、核エネルギーの熱を吸収して蒸気になり発電機の運転を駆動し、冷却塔に入って再び水になり、核エネルギー加熱領域に行って加熱されて蒸気になるなど、原子力発電利用の媒体として、通常であれば、この水は外部に放出されることはありません。

しかし、通常運転されている原子力発電所には、第二の冷却水系統、すなわち、主に冷却水を冷却する水があり、この水は、原子力発電所全体の熱収支を維持するために、主に冷却塔に供給され、冷却塔を冷却し、第一の冷却水を冷却します。 したがって、この冷却水は核放射線区域に入ることはなく、理論上ほとんど核汚染のない第一冷却水と直流的に交差することもない。

したがって、通常運転中の原子力発電所から排出される冷却水は、福島原発の核漏れを冷却するために使用された冷却水と比較することはできない。この冷却水は第二の水冷システムに属し、第一の回路には属していない。

このように、読売新聞が引用したデータの出典は科学的根拠がなく、全体が陽動作戦であり、逆襲であることがわかる!

周知のように、2011年3月11日に発生した福島原発の核漏れ事故による核汚染は極めて危険なものであり、事故から1週間以内に福島原発の損傷した3基の原子炉から放出された放射能は7億ベクレルに達し、これはチェルノブイリに次ぐ最悪の核漏れ事故であり、福島原発の廃液中のトリチウム濃度は、今のところまだWHO基準の上限である1リットルあたり50万ベクレルに達している。 これはWHOの基準値の50倍である。

これは間違いなく、他国がより深刻な核汚染を抱えていると非難する良い方法であり、国内の人々の感情を落ち着かせるだけでなく、対外的に物議を醸し、自国の核廃水放出の言い訳を見つけることもできる。 『読売新聞』が我が国の原子力発電所からの核汚水中のトリチウムの含有量をまとめた理由はこれかもしれない。
引用:同上
[st-kaiwa4] このレポートは信頼できません。この記事は「放射性重元素さえ含んでいるかもしれません」、これは推測です、本当の裏付けはありますか、それで反論してください。 [/st-kaiwa4] 引用:同上
[st-kaiwa5] 日本の公表された数値が正確であれば、その年間計画排出量は確かに大亜湾(原発)の指定された制限(安全と公式に認められている)を下回っています。 さらに、日本政府は信頼できませんが、少なくともIAEAはテスト結果を認識し、少なくとも現在排出されている処理水は安全であることを示しています、私たちの国もこのIAEAの重要なメンバーであるため、私たちの国では実際にはあまり反対されていないのに、注目を集めて歌い、中国国内の大衆の注意をそらすだけです。
[/st-kaiwa5] 引用:同上
[st-kaiwa6] 11人の合同調査チームは、そのうちの1人は中国政府の専門家であり、この専門家と環境保護団体を含む業界の専門家は、問題はないと考え、あなたが見るものは国内の炎上ニュースであり、外に出てもっと見てください
[/st-kaiwa6] 引用:同上
[st-kaiwa1] 日本大使館の記事は、秦山原子力発電所のトリチウム排出量は福島の10倍であると言っていますが、秦山原子力発電所はトリチウムの10倍を含む核廃水を海に排出していますか?
[/st-kaiwa1] 引用:同上
[st-kaiwa2] 確かに毎年トリチウム含有量の10倍の水は海に排出されていますが、これは核廃水とは呼ばれず、冷却水であることに注意してください。
[/st-kaiwa2] 引用:同上
[st-kaiwa3] それが冷却水であろうと汚染水であろうと気にしますか、そしてそれが放射性である場合、それは平等に扱われませんか? あなたは混乱しています。
[/st-kaiwa3] 引用:同上
[st-kaiwa1] 確かに、中国の廃水量は日本の数倍にもなります。 現在の日本の問題は、その水に他の放射性元素が含まれていることですが、日本は正確に何も言いません。
[/st-kaiwa1] 引用:同上
[st-kaiwa2 r]国際原子力機関(IAEA)がトリチウム以外の放射性物質を見逃して、お墨付きを与えるなんて考えられないよね [/st-kaiwa2]

まとめ

[st-minihukidashi fontawesome=”fa-hand-o-right” fontsize=”90″ fontweight=”bold” bgcolor=”#212121″ color=”#ffffff” margin=”0 0 0 0″]わかりやすくまとめると[/st-minihukidashi]
  • 処理水について中国政府の見解を疑っているあるレベル以上の中国民がいる。日本政府は福島第1原発の処理水放出の安全性に自信があるなら、中国に対し、以下のような反論をきちんとすべき
  • 核廃水と冷却水の違いの科学的なデータを要求する
  • 処理水の安全性を保障したIAEAの専門員に中国専門家が含まれ、同意していることを指摘する
[st-kaiwa2 r] 汚染された冷却水がどんどん溜まって、貯蔵限界となることは、以前から予測されたことです。対策の過程では、冷凍壁を周りに廻らせて、地下水の流入を防ぎ、汚染水の増加を抑える対策もあったが、どれだけの費用をかけてどれだけの効果があったのかうやむやになってしまっている。
中国に利用されるタイミングで、放出せざるを得なくなったのは、問題ではないかと思います。
コロナのCOCOAシステムもそうだが、うまく行かなかった原因をはっきりさせないで放置することが、今回のマイナンバーカードの混乱にもつながったのではないか?[/st-kaiwa2] [st-mybox title=”関連” fontawesome=”fa-file-text-o” color=”#ccc” bordercolor=”” bgcolor=”#fafafa” borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″] この記事を見ている人は以下の記事も見ています
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