フェード現象とベーパーロック現象の意味と違いを分かりやすく説明。長い下り坂走行で事故を防ぐには?

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全国旅行支援の開始そうそう、静岡県小山町の県道で観光バスが横転し、1人が死亡、35人が重軽傷を負う事故が発生しました。運転手は、「ブレーキが効かなくなった」と話していたそうです。

長い下り坂走行でブレーキが効かなくなるのは、フェード現象やベーパーロック現象が発生するからと言われます。両者の意味と違いを確認してゆきましょう。

このような事故を防ぐためには、どこに気を付ければ良いかにも触れてゆきます。

[st-kaiwa1]下りでブレーキランプが絶え間なく点いてる車の後は怖いわ![/st-kaiwa1]

フェード現象とベーパーロック現象の意味と違い

フェード現象とベーパーロック現象の意味と違いをまとめます。

車のブレーキでもっとも一般的なのは、油圧式ブレーキです。
油圧式ブレーキのメカニズムは、ドライバーがフットブレーキで、ブレーキペダルを踏んだ力が、ブレーキフルードという液体で満たされた配管を通って伝わり、ブレーキ内のピストンを押します。そして摩擦材であるブレーキパッドを押し、押されたブレーキパッドがディスクローター(円盤状の鉄製)を両側からはさみこんでブレーキ力を得るしくみとなっています。

フェード現象とは、下り坂などでフットブレーキを使いすぎると、走行中にブレーキが効かなくなる現象です。ブレーキパッドが高熱になり、摩擦材の熱分解で発生したガス膜がブレーキローターの間にはさまることで摩擦力が減り、ブレーキの効きが悪くなるのです。

ベーパーロック現象(vapor lock phenomenon)は、下りの坂道などで、フットブレーキを使いすぎると、その摩擦熱がブレーキフルードに伝わって、ブレーキフルードが沸騰し、気泡が発生します。気泡が発生すると、ブレーキペダルによって発生した油圧がブレーキフルードに伝わらず、ブレーキが効かなくなってしまう現象です。
ここで、ベーパーは、vapor蒸気を意味しますので、ペーパーではありません。

また、ブレーキフルードは、長年使っていると、劣化し、液の色が、正常な飴色から茶色がかった色に変わっていきます。水分が多くなり、ベーパーロック現象が発生しやすくなります。車検などで2年に1回程度の交換が望ましいようです。

従って、フェード現象は摩擦材が要因であるのに対し、べーパーロック現象はブレーキフルードが要因という違いがあります。
フェード現象が発生した場合、そのままブレーキを掛けつづけると熱がブレーキフルードにまで伝わり、フルードの沸騰によって完全に制動力が失われて、ベーパーロック現象を生じるとされます。

2013年に大分県で起きた大型観光バスの路外転落事故は、「フェード現象」や「ベーパーロック現象」が疑われ、最終的にフットブレーキの多用によりフェード現象が起き、ブレーキが過熱して効かなくなったことが原因とされました。

静岡県小山町の県道で観光バスが横転の原因は?

現在詳しい調査中で、はっきりしたことはわかりませんが、
運転手が「ブレーキが効かなくなった」と話していること
御殿場署が自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで運転手を現行犯逮捕したこと
現場は県道足柄停車場富士公園線(通称ふじあざみライン)の上り車線5・9キロポスト付近の、下り坂であること。
道路の左側の法面(のりめん)にタイヤが乗り上げてバスが横転したこと。
容疑者の運転手が今回のコースを運行したのは初めて
地元の運転手が「現場周辺は注意が必要な道」だと指摘していること
専門家が、映像ではブレーキ痕が見当たらなくて結構前から左側の法面にまっすぐ突っ込むような状態で突っ込んでいるという痕跡は確認でき、曲がり切れなかった何らかの原因があったと述べていること
運転手が事故直前の下り坂などで、フットブレーキのペダルを繰り返し踏んで車両の制御を試みていたとの証言がある

以上から、フェード現象やベーパーロック現象で、ブレーキが効かなくなって、カーブを曲がり切れず、直進して道路左側の法面にタイヤが乗り上げ、横転したと推測されます。

[st-kaiwa2 r]コロナが下火になってやっと出かけたんやと思うわ?あんまりやわ! [/st-kaiwa2]

対応策

フェード現象やベーパーロック現象を防ぐ対応策として有効なのは特に長い、下り坂では、フットブレーキを多用せずにエンジンブレーキを活用することです。

アクセルペダルから足を離すとエンジンの回転数が下がって抵抗が生じ、それにより減速してブレーキの役目を果たします。下り坂に入ってからでは、スピードに乗ってしまいエンジンブレーキもあまり効果が薄いので、下り坂にはいる前にエンジンブレーキを使用するのがより効果的となります。
エンジンブレーキだけでは減速が足りない場合は、シフトダウンと併用するとより効果的となります。

マニュアル車なら2~3速で、オートマチック車ならば2レンジか3レンジを使って速度を調整します。

フットブレーキの多用などで、ブレーキの効きが悪くなった場合は、段階的にシフトダウンをして、減速させてから安全な場所に停車し、しばらく、熱を発散させ、ブレーキの制動力が回復するのを待ってから出発するのがポイントです。

[st-kaiwa1] 246の御殿場あたりでは、長い下り坂、エンジンブレーキ使用とほとんど書いてあるけどな[/st-kaiwa1]

フェード現象へのSNSの反応

[st-kaiwa3] 山道の下り坂走っていて思うけどエンジンブレーキ使わない運転手って本当に多いからな。車の運転上手い人ほどエンジンブレーキ使ってて、下手くそな人ほどフェード現象やベーパーロック現象を起こしている印象
対向車や後続車にとっても危険極まりないから道交法や法令で義務化すべきでは?
[/st-kaiwa3] 引用:https://twitter.com/ue_410/status/1580518960209874946
[st-kaiwa4] 山道でエンジンブレーキ使ってると、足のブレーキだけでよくない?って結構言われるのよね
いや、教習所でフェード現象とかベーパーロック現象とか習ったじゃん怖いじゃん…といつも思う
[/st-kaiwa4] 引用:https://twitter.com/nabicin2225/status/1580592962328702977

[st-kaiwa5] 静岡の観光バス横転事故、フェード現象を調べていたら9年前も同様の事故が起きていたらしい…。
[/st-kaiwa5] 引用:https://twitter.com/hi_mikka/status/1580634296850984961

[st-kaiwa6] 怖い。
何が怖いって、このニュースで「フェード現象はじめて知った!」て人が山ほどいること。
教習所で普通に習うだろ。そんなやつ公道に出るなよ。
[/st-kaiwa6] 引用:https://twitter.com/RaHu_Ship09/status/1580567135494889472

まとめ

[st-minihukidashi fontawesome=”fa-hand-o-right” fontsize=”90″ fontweight=”bold” bgcolor=”#212121″ color=”#ffffff” margin=”0 0 0 0″]わかりやすくまとめると[/st-minihukidashi]
  • ブレーキが効かなくなるフェード現象とベーパーロック現象のメカニズムの違いを説明した
  • 長い下り坂走行で事故を防ぐ方法を挙げた
  • エンジンブレーキ使ってないドライバー多い!教習所で習ったはずなのにとの声多数
[st-kaiwa2 r] これから紅葉の季節!みんな山の運転では気を付けてくれんとな! [/st-kaiwa2] [st-mybox title=”関連” fontawesome=”fa-file-text-o” color=”#ccc” bordercolor=”” bgcolor=”#fafafa” borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″] この記事を見ている人は以下の記事も見ています

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