「鎌倉殿の13人」の政子は深謀遠慮の人!や、開幕戦で、小刻みリレーを選んだのには、ビッグボスなりの深慮遠謀があったなど、この二つの4字熟語は様々な場面で使われます。
よく似ている深謀遠慮と深慮遠謀の違いと使い方をまとめました。
また、それぞれの出典や、中国での使われかたはどうなんでしょう?
現地情報からまとめました。
深謀遠慮と深慮遠謀の違いと使い方まとめ
一見してよく似た成句の深謀遠慮と深慮遠謀の違いと使い方をまとめましょう。
違い
深謀遠慮は、「奥深い見通しある謀(はかりごと)や考え」の意の深謀と、「将来について考えめぐらす、遠く先のことをおもんばかる」の意の遠慮からなっています。
「将来を見越し、よくよく考えて計画を立てること」の意味となります。
深慮遠謀は、深謀遠慮と、同じ4文字からなっており、2文字目と4文字目の配置が違うだけです。日本では、基本的に意味に違いはありません。
使い方
Yahoo検索で、単純にそれぞれを検索すると、
深謀遠慮 約450,000件
深慮遠謀 約35,900件となり1桁もの差があります。
また、Yahoo!ニュースで、現時点で検索しますと、
深謀遠慮 53件
深慮遠謀 17件となり、前記ほどではありませんが3倍の差があります。
深謀遠慮が一般的に使われているようです。
具体的にどのような使われ方をしているのかYahoo!ニュースで具体的に調べました。
深謀遠慮
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関ヶ原後、西国に押し込められた外様「薩長土肥」が翻した反旗
戦が始まるまでの、情報収集と裏工作が功を奏して、諸将の寝返りを誘い込んで勝ちを得たその深謀遠慮(しんぼうえんりょ)こそが、家康の真骨頂というべきである。
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妹と仲違いしたのも、妹が御台所になって残虐な政争に巻き込まれることを避けたかったのだろうと思わせた。深謀遠慮の人だ、政子は。アイデアも豊富、人道に基づく言動、まっすぐな人格者の政子には、アラートではなくファンファーレを鳴らしたい。
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奇策に秘められた深謀遠慮・・・いずれも奇想天外な作戦・采配に見えるが、開幕独特の緊張感を全員に経験させるなど、根底には一貫して「目先の1勝より成長」の哲学がある。
深慮遠謀
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そこには「グリーン社会の実現」という安倍政権とは異なる政策を目指した菅総理の深慮遠謀がある。
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そういうトップは日頃から現場の意見をくみ上げる資質を持っているため、恐ろしいほどの深慮遠謀ができる人物になっていく。他方、この人物の直轄で動く警部補もトップの考えを自然と理解し、その考察を以て情報収集するため、様々な分野においてますます核心を掴んで分析できるようになる。
それぞれ、スポーツ、ドラマ、社会、政治の世界で使われており、特に分野で使い分けされてるようにはみえません。
中国での意味の違いと使い方
いずれの用語も元は中国から来ています。
中国の最大の百科辞典 百度百科で調べてみましょう。
深謀遠慮とは、
非常に慎重に計画し、長期的に考えるという意味
中国の前漢時代に執筆されたとする「過秦論」に由来します。
類語として、遠慮深思、遠慮深慮、遠謀深算が挙げられており、深慮遠謀はありません。
一方、深慮遠謀は「慎重に計画し、深く検討する」とあり、出典も「黄家贼事宜状」となっており違っています。類語としても、深思熟慮、老謀深算、深謀遠略が挙がっており、お互いに類語の関係にはなく、それぞれの類語も一致しません。
では、何が違うのでしょう?
深謀遠慮と深思熟慮の違いについて説明した文書を見つけました。
深思熟慮は、深慮遠謀の類語となっていますので、これで差異を見てみましょう。
両者とも、”深く、徹底的に検討する “という意味は同じですが、
違いは、深謀遠慮が「綿密な計画と長期的な思考」を重視するのに対し、深慮遠謀の類語である深思熟慮は「深く、慎重に検討すること」を重視する点にあるとしています。
つまり前者の方が、長期的、計画的に考える点で、違いがあるということに思えます。
実際最近の中国の有人月面着陸、火星探査、木星探査、小惑星探査などの任務を担う新世代の有人ロケットと大型ロケットを開発の記事では、表題に、「中国の有人月面着陸にはどんな深謀遠慮が?」とあり、長期的、計画的な意図を5つ並べていました。
成文(四字熟語)の数は中国が日本より1桁多く、それぞれに細かい意味込めて使い分けていると思われます。
[st-kaiwa2 r] 中国版ツイッターの微博(ウェイボー)でも、若者が4字熟語を盛んに使ってるわ! [/st-kaiwa2]まとめ
- 深謀遠慮と深慮遠謀は日本では同じ意味で、分野に限らず使われるが、深謀遠慮が圧倒的に多く使われる
- 中国では、深謀遠慮と深慮遠謀は類語の関係にはなく、それぞれの出典も異なり、意味も、深謀遠慮が「綿密な計画と長期的な思考」に重きを置くのに対し、深慮遠謀は「深く、慎重に検討すること」を重視している
- 4字熟語が日本に比べて圧倒的に多い中国では、それぞれの微妙な違いを使い分けていると思われる
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