大正、昭和の激動の時代に、日本人が中国大陸で、馬賊となって豪快に活躍した実話に基づいた小説であります。
彼の生きざまは、今の日本人が小粒になってしまった警鐘でもあります。
「馬賊戦記」上、下 朽木寒三著 1982年8月1日 出版 徳間文庫
主人公プロフィール
小日向白朗(こひなたはくろう)
明治33年(1900年)~昭和57年(1982年)
新潟県三条市出身。
・17歳で中国に渡る。
・天津に赴き、坂西大佐の下で中国語、射撃を学ぶ。
・坂西大佐は少将に昇格し、北京赴任に随行する。
・20歳の時にモンゴルのウランバートルを目指して旅をするが、馬賊の捕虜となり、馬賊の配下として働く。
・多くの戦に活躍し、頭角を現す。
・馬賊の聖地千山無量観で修業を積み、中国拳法などを学ぶ。
・大長老の葛月潭老師より、「尚極東」の名と銃「小白竜」を賜り、馬賊の総頭目となる。
・軍閥張作霖親子と懇意になり、中将となる。
・日本軍と中国軍の融和に努力する。
・日本軍の下で特務機関として、活動をする。
・戦後は池田勇人内閣の情報機関の顧問をする。
著作者プロフィール
朽木寒三(くちきかんぞう)…本名は水口安典
1825年5月20日~2019年5月22日
北海道に生まれる。
・東京農林専門学校(現東京農工大学)卒業。
・在学中に召集され、中国戦線に従軍をする。
(著作物)
少年マタギと名犬タケル(どんぐりブックス)ポプラ社
釧路湿原北海道カウボーイ物語(シリーズ・ヒューマンドキュメント)理論社
コメント
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従来私が想像していた馬賊とは全く違っていたので、読んで仰天した。また、単に主人公小日向白朗のことだけでなく、中国社会に対しても深い洞察がなされていておもしろかった。体制は変わっても、今も中国社会と国民はそれほど変わっていないだろう。私たちは、その奥深さをもっとよく理解すべきだ。
ノンフィクションだが、あまりにもおもしろかったので一気に読み終えた。こんな素晴らしい本が、現在絶版になっているのは大変残念に思う。
一気に読んでしまいました。
久しぶりに楽しませていただきました。
是非、映画化されることを期待します★
少年 小日向白朗は中国に渡り、そこで日本軍の密命を受けて中国内陸の調査に出るがあえなく馬賊の囚われの身に。中国国歌に歌われし・・
これって伝記?小説?面白いです。
読書メーター
とても時間がかかったが、本当にこんな話があったのかと思いつつ、楽しめた。張作霖、学良親子、蒋介石などの有名人が出てきて、何となく満州事変近辺の歴史が見えた。
ブックオフ
すげえよ小日向白朗!!!10代で中国に渡って旧陸軍のスパイになって馬賊に拉致されて当家になって大攪把になって何万人も従える総攪把になって!んでもって千山で武術の達人に!凄すぎる!マジですげえ!!! これを読んでみて、「青龍 ブルードラゴン」は完全に本書を参考資料にしてるだろうと…
まとめ
・かっての日本人には国際社会で豪快に活躍する素地があった。
・横山光輝の漫画『狼の星座』という名作にも描かれています。
・この本から学ぶものがかなりありそうだ。