“三好長慶”とその著者“長江正一氏”について

雑記

昭和の名著シリーズ第5弾は“三好長慶”です。
1900年代中頃は“三好長慶”の知名度はほとんどなかったです。
その時に徳島の女子高の先生が、熱心に研究をしておられました。長江正一先生。
それがNHK大河ドラマ“麒麟がくる”で一躍脚光を浴びました。
吉川弘文館の要請で1968年に出版されましたが、彼の残した業績は一級の資料として、今後も語り継がれるでしょう。
“三好長慶(人物叢書)”1968年吉川弘文館

三好長慶とは?

1522年3月10日~1564年8月10日
・徳島県三好市生まれ
・父は山城国下五郡守護代の三好元長
・細川政権を崩壊させて、室町幕府将軍の足利義晴、足利義輝を京都から追い出して、
織田信長より先に天下人になったという説が現在定着しつつあります。
・勇猛、有能な弟たちにも恵まれていました。(三好実休、安宅冬康、十河一存、野口冬長)
・外様の松永久秀を重臣に登用し、三好三人衆と共に、勢力を強固なものにする。
・12歳で一向一揆と細川晴元との和睦に奮闘するなど、早い時期から活躍していましたが、
晩年は次々と弟たちを失い、若くして病に倒れました。(享年43歳)
・Wikiでは長江正一氏の資料としての価値を評価している記事があります。
・三好長慶は学問があり、風流を解するとも言われています。

本書の目次

はしがき
第一 三好長慶の出自
一 その先祖
二 曾祖父之長」
第二 父三好元長(長慶の幼年期)
第三 孫次郎利長と称した時期
一 一向一揆と戦う
二 細川晴元への脅威
第四 孫次郎範長と称した時期
一 太平寺の戦い
二 細川氏綱と戦う
三 再び氏綱と戦う
第五 筑前の守長慶
一 一族三好政長を滅ぼす
二 将軍義輝と戦う
三 長慶暗殺未遂事件
四 将軍、長慶と和す
五 見性寺事件
第六 長慶の全盛
一 将軍朽木に幽居五年
二 京都を支配す
三 三度将軍と戦う。
四 正親町天皇即位を警固
五 修理大夫飯森城主
六 極盛の背景
七 将軍を迎えて歓待す
第七 衰運
一 一存の死と義賢の戦死
二 松永久秀の擡頭
三 潜在する反三好勢力
四 義興の死と冬康の横死
第八 長慶の教養
第九 暁星消ゆ
三好氏略系図
細川氏略系図
略年譜
主要参考文献
三好長慶関係地図/折込

長江正一のプロフィール

長江正一(ながえしょういち)
郷土史家
1897年生まれ
1918年京都府師範学校卒。
1924年文部省検定(日本史・東洋史)合格。
徳島県女子師範学校、徳島県徳島高等女学校教諭。市場町文化財保護委員などを勤める。

1979年7月3日にお亡くなりになられました。
(長江正一先生の画像)

長江正一さんが関西に来られた時に親戚の家に滞在しました。
その時の写真です。
長江正一さんの奥さんの姉妹の息子の家です。
まだ垣根が生えそろっていないのと、庭に鉄棒がまだ設置されていないので、新築して、5年以内の写真と思われます。長江正一さんは1897年生まれだから、計算上は62歳~67歳の頃のものと判断されます。
次に、彼が2回目に訪れた時に、家人の息子の学生が彼に質問をしました。
「なぜに、三好長慶の本を書かれたのですか?」答えは「ライフワーク」とおっしゃっていました。
また別の日に、家に伝わる掛け軸を解読していただくようにお願いしたら、
床の間の前に数時間ほど座っておられて、見事解読されました。
家人皆「さすが」と、驚嘆しました。

「三好長慶」へのコメント

(旧版、新装版のコメント)
三好好きなら読んで損は無いと思う。これで写真がフルカラーなら言うこと無し(無茶な)

鈴虫を贈る冬康の逸話が泣ける。三好長慶好きならぜひ読むべき。

三好長慶の本がなかなか見つかりません。資料も豊富ということなので、是非読んでみたいです!!復刊させたいですね。 (2007/04/18)

天下の実権を握った人の内でおそらく最も無名な人の生涯について、多くの資料をもとに冷静、現実的な視線で書かれている本。
豊富な資料と巻末の略年譜で長慶通になれます。 (2004/12/27)

著者は「徳島県立女学校」教諭で、既に亡くなられている。
初版から40年以上経過していても版を重ねる良書(2011年3月6日)
本書はこういった複雑で難解な歴史背景や当時の文書を,平易な文章で解説してくれる.写真や図表を駆使し,章立ては細かくし,さらに数行ごとに小タイトルを付けることで,かなり読みやすくなっている.本書においては,ややもすると歴史の流れを追うだけで労力を使い果たしてしまい,結局は三好長慶がどんな人物だったか分からないなどと言った愚を犯していない.永禄元年頃には数多く存在した戦国大名中,最大級の版図を築き上げた三好長慶の人柄も十分に描かれている.

『三好長慶』は「東大寺」の大佛の首を焼き落としたことや「京」を焼き討ちしたことで悪名が高い。
『三好長慶』に読者が関心を持っていると思われる(1)いつ、どこで、誰の子として生まれたか、(2)幼少時には何をしていたか、(3)成人して何をしたか、(4)いつ、どこで、どうような状況下で亡くなったか、である。これが全部書けていれば合格である。本書はこれについて総てが書かれているので合格である。・・・(2020年3月31日)

まとめ

・著作“三好長慶”と、その著者“長江正一氏”について、紹介しました。
・三好長慶は若くして活躍しましたが、非常に早世でした。
・長江正一先生の貴重な写真を入手しましたので添付しました。

長江正一先生の情報が不足しております。
何かエピソードありましたら、コメント欄によろしく。

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